2019年2月17日日曜日

2月10日(日)愛媛マラソン

愛媛マラソン、42.195キロ。
高槻ハーフ以降、ちょぼちょぼと走り続けて、気づけばもう愛媛マラソン。11月の福知山マラソン以来30キロ以上を走っていない。まずい。困ったときの、いや逃げたいときのと言ったほうが正確かもしれない、仮装ラン。去年のいわきサンシャインマラソンのと同じくスーツで走ろう。簡単でありながらランナーからも沿道からも一目置かれるのだよ。安易。
8日(金)夜、準備をしていて、寝たのは1時頃。そして4時過ぎに目が覚めてしまう。そのまま寝られず、だったら早めに愛媛に行こうと6時過ぎに出発。新幹線で岡山に行き、特急で愛媛県松山へ。途中、いわきサンシャインマラソンが中止になったことを知る。うわあ、しばし絶句。大阪に引っ越して、2月のマラソンどうしようというときに、前々からすごく評判のいいと聞いている愛媛マラソンと、過去走って本当に大好きないわきサンシャインマラソンのどちらにしようか悩んでいた大会だった。愛媛マラソンに落選していたら絶対にいわきにエントリーしてた。ランナーだけでなく、スタッフ、運営、そしてボランティアの方々の無念さはいかばかりか。愛媛マラソン当たっててよかったとは簡単には言えない。話は戻って、電車内で空腹で気分が悪くなってきて、結局寝られず、松山駅に到着。
まずお昼ご飯を食べないと。松山駅と松山市駅は違うのか、松山市駅まで歩いて、駅前のスパゲッティ屋さんに入る。量が多いと評判の店だったけどペロリだぜ。いったんホテルに荷物を預け、松山城見物に行く。松山城はあまりに規模がでかくて、ずっとすげーすげーつぶやきながら見て回る。お城から山を降りて、マラソンの受付を済ませて、開会式を見る。受付から大会会場まで、人がいっぱい。県知事、市長も走るそうだ。ゲストランナーも豪華だ。愛媛マラソンはかなり規模の大きい大会なんだと、今さらながら気づく。晩ご飯はまた松山市駅前でうどんを大盛りといなり寿司を食べて、ホテルにチェックイン。けっこう歩いたなあ。明日の荷物を整理して、21時半に就寝。
朝6時に起床。シャワーを浴びて、ホテルのレストランで朝食。ご飯を大量に食べる。ウェアを着て、出発。大街道からスタート会場まで、けっこう歩く。8時過ぎに到着。トイレもまだ人がまばら。2回トイレに行き、スーツに着替え、9時に待機列に並ぶ。待ちながら、ペースはどうしようか。去年のいわきサンシャインマラソンが3時間15分だったのか、しかも直前の1か月走ってなかったのか。まあ今年ものんびりキロ4分半くらいにして、3時間20分くらいを目指そうと決める。9時40分、開会のあいさつ。そしてスタート地点に移動、なのだが、みんな走ってる。あれ、もうストーとしてるのかと思うほど。つられて走ってしまうが、出来るだけ前に並ぶために走ってたのか、なるほど。そしてまたしばらく待ち、突然遠くのほうで号砲が鳴ったのが聞こえる。あわててウォッチのボタンを押す。でもしばらく動かず、少しづつ歩き、スタート地点のマットを踏むまでちょうど2分のロス。ついにスタート。
スタートの待機が長いため、あまり水を飲まなかったので、スタートしてすぐゼリーを飲む。しばらくは渋滞でスピードが出せず、ランナーの合間を抜いて走る。最初の1キロは7分。おおう、だいぶロスしたなあ。このロスは取り返すことができるんだろうか、せっかく当選して、旅ランして、もっとのんびり走ればいいのに、あせってペースをあげる。3キロくらいからようやくランナーがばらけてきた。ペースも4分半をキープしている、というか、ちょっと苦しい。キロ4分半でいっぱいいっぱいな感じ。まずい、このペースを維持してゴールできる気がしない。どうしようか。松山市街を抜けて、家々も少なくなってきたけれど、沿道の応援が途切れない。ずっと応援が続く。7キロ過ぎ、右に長い坂が見えてきた。これが平田の坂というらしい。それほどびっくりするような坂でもなく、淡々と上る。そして下り。10キロ地点で48分。
そしてやがてトンネルに入る。トンネルを2つ抜けて、それからはほぼまっすぐのコース。すごく天気がいい。日差しがけっこうある。そして風も強い。ジャケットを着ているので汗をかいて、日差しがあって暑いんだけど、風が吹くと一気に冷える。暑くし冷たいしきついよ。沿道の声援は途切れない。スーツとかサラリーマンとか声がかかる。声を出して、手を振って応える。道路の向こう、戻りのコース上の給水の人たちにも手を上げると、元気に振り返してくれる。うれしいなあ。17キロで一六タルトを配っている。手にとって食べる。うん、やっぱりちょっと食べにくいな。しばらくまっすぐ走っていく。やがて右へのカーブがあり、20キロ地点、1時間34分。えっ、ハーフじゃなくて20キロ? と一瞬混乱。てことはハーフで1時間40分くらいだから、ええと、ゴール3時間20分ぎりじゃねえか。などと思っていたらハーフ地点、1時間39分。やはりか、きついなあ、このペースで盛り返せる自信がない。とにかく維持できるように進んでいくしかない。25キロで折り返しがあり、やがて来た道を戻っていく。少しづつランナーを抜いていく。拾っていくという表現か。周りはペースが落ちてきているようだけど、自分はまだ落ちていない。キロ4分半は切れている。このままどこまで粘れるか。
沿道からずっと応援が続いている。確かにこれだけ途切れないマラソンというのもすごい。スーツがんばれっていう声がたくさんかかる。ちっちゃい子どもたちも手を伸ばしてハイタッチしてくれる。できるだけすべてに応えるように声をあげ、手を伸ばす。楽しいなあ、これがマラソンの楽しさだ。途中の給水、まんじゅうを渡そうとしているのが見える。せっかくだからもらおうとしたら、目の前にいるランナーに取られてしまい食べられず。あっそういえばエネルギージェルを摂っていなかった。のんびりランでバナナとかも食べようと思っていたから忘れてた。結局一六タルトしか食べていない。手持ちのジェル1個を摂る。30キロ地点で1時間18分。サブスリー目安より10分ちょっと遅れてるから、やっぱり3時間20分くらいか、切れるくらいかな。そしてまたトンネルを抜けて、長い坂を上り、下る。トンネルの前だったか抜けてからだったか、顔をあげたらQちゃんがいて、ハイタッチできた。すごいって言ってもらえた。
37キロ、残り5キロか。ずっとキロ4分半は切れている。最後くらいスパートかけたいもんだ、などと思うけれど、なかなかスピードが出せない。だんごを配っているけれど、さすがにだんごは食べられないよう。左のほうに山が見える。あれが松山城か。ゴールか。と思っていたら過ぎてしまった。街中に戻ってくる。沿道の応援がぐっと増えてくる。何度も何度も声援に応えて、手を振って、ハイタッチして、残り3キロ。まだまだ、ペースをあげるよう足に力を入れる。ランナーをどんどん抜いていく。左のほうの山にお城が見える。今度こそゴールだ。道路が広い。こんな大きな道路を走らせてくるなんて素晴らしいな。松山城が大きく見えてきて、周りの応援もすごい。足はまだ止まらない。ラストだ、最後の最後、応援に応えるように手をあげて、松山城公園への入り口を曲がりすぐゴール。前にいるランナーをどんどん抜けるという気持ちもあり、全力でダッシュ。ゴール。3時間15分。
ゴールして、ボランティアのスタッフちゃんたちとハイタッチして、急いで着替えて、愛媛に移住した友人に会って、道後温泉に入って、飲んで、深夜バスで眠れず、おしまい。

コース自体は長い一本道を行って戻ってくるというもので、変化があるわけではない、いわれるほど大きな坂もない、どちらかというと退屈かもしれない。それでもこの大会は、愛媛県が、松山市が、運営が、みんなで盛り上げようとしているのを感じることができる。大会終了まで、なにひとつストレスがない大会だった。そしてなにより、沿道の応援がとにかく温かい、熱い。これだけランナーを後押ししてくれる応援はなかなかない。評判どおり素晴らしい大会だった。せっかくのたくさんの応援に応えるようにのんびりゴールしようと思っていたのに、最後全力ダッシュしてしまったばかがここにいる。本当に楽しい大会だったけれど、もっともっと楽しみたかったな。ありがとうございました。