2017年12月19日火曜日

12月17日(日)はが路ふれあいマラソン

はが路ふれあいマラソン、42.195キロ

着ぐるみ大失敗の巻。
3週間前につくばマラソンを走ったあと、走るたびに左ふくらはぎと右かかとが痛い。走るのに支障はないので故障ではないのだろうけど。前日はいつも通りパスタを山盛り食べ、21時過ぎに就寝しようとして結局22時就寝、しようとしたけど寝付けず、22時半、23時と過ぎていく。おかしい、眠剤飲んで、さらに追加したのにまだ眠れない。横になっていると心臓の鼓動が聞こえる。お前はよく動いてくれてるなあ、明日も負担かけちゃうけどよろしくな、止まったりしないよなあ、今止まるわけにはいかないんだ、などと悶々としながら、いつの間にか眠り、4:30起床。シャワーを浴びて、5つ切り食パンを1枚食べて、出発。
行きの電車内で残りの食パンを食べて、アイマスクをして宇都宮まで。宇都宮駅に着き、まずトイレ、改札を出て、スタッフの方々に挨拶しながらバスに乗り込む。バス内でもアイマスク。やがて会場に到着。いつも通りコインロッカーの100円を受け取り着替えへ。毎年思ってるけど100円くらい個々に出させてもいいのに。そのくらいホスピタリティの高い大会なのだ。
第1回のときこれが目に入って財布から100円取り出していきました
「100円はこちらがお渡しするんですよー」って言われました
去年おととしと着ぐるみを着て走って好評だったので今年も、と思ったけど、先月つくばマラソンが終わってひと息ついたらあっという間で、考える余裕がなかった。amazon見てたら面白そうな着ぐるみ見つけた。恐竜に乗ってるように見える着ぐるみ。電池を入れて、くっついているファンで着ぐるみの中を膨らませるタイプの着ぐるみだった。季節的にもはが路的にもなんの関係もないけど、ただ受けそうってだけでポチる。届いて1回試着してみる。これで足が動くんだろうか、という感想。足の動きが制限されるならまくりあげて走るか、などとしか思わなかった。それに去年と同じイチゴの被り物。もう訳わからん仮装。
スタート前に並ぶ。去年おととしは最後尾からスタートだったため、今年は前でもいいんじゃね、と前のほうに並ぶ。近くにいたランナーから話しかけられる。これで走るの? 何時間くらいで? と聞かれて、3時間くらいでいければなあって思ってます、と応えると周りがどっと湧く。いやいやと謙遜しておきながら、先月2時間53分だったんだからいけるでしょ。などとおごり高ぶったまま、まもなくスタート。
これ。見直すとほんとひどいな
(撮ってくださった方ありがとう)
スタートしてすぐ、やっぱ走りにくいわこれ、と手で持ち上げて、足を動かしやすいようにする、けれど走ると風を受けて膨らんだぶんがへこんでしまう。ありゃあ、こりゃ着ぐるみ見えないなあ、などと思いながら走っていくと、早くも異変発生。着ぐるみがしぼむ。えっどうした、見るとファンの部分が取れて落ちてる。ぎゃあ、そうきたか。走りやすいかにくいかしか考えてなかった。2キロですでに着ぐるみのていをなしてない。もうしょうがない、いったんコース脇に出て立ち止まって、ファンの位置を直して、電池を入れ直して、再スタート。それでもすぐ落ちる。ああああもう。手で押さえながらどうしよどうしよこれであと40キロいけるか、いやいや無理だろこれ絶対もたないわ、早めに諦めたほうがいいぞ、むしろあがくよりもここでいったん脱いで、最後にもう一度着てゴールすればいいじゃん、と結論づける。相当焦ってる。5キロで給水所、ここで立ち止まり、着ぐるみを脱いで、ばらばらになった電池を集めて、無駄にでかい布(着ぐるみ)を手に持って走ることにする。大慌て。
いつの間にか抜かれていた4時間ペーサー、3時間半ペーサーを一気に抜いていく。それにしてもこの無駄にでかい布(着ぐるみ)と電池ケース、ファンを持って走るのが本当に苦痛。両手がふさがっている。それでも沿道の応援に応えたくて、片手に持ち直してハイタッチしたり手を振ったり、いやきついわこれ。と電池ケースを落として電池をばらまけたりしてしまう。そのたびに拾い直して、周りのランナーのみなさんごめんなさい、ああもう俺なにやってんの。というかねえ、着ぐるみがでかくて、さらに変な形をしていて、上着みたいに体に巻きつけることもできない。電池ケースとファンも含めると、どうやっても片手ばかりか片腕がふさがってしまう。10キロ地点で49分。えっ49分? 立ち止まったせいもあるけれど、今までになかったタイムにびっくり。というかラップごとにいちいちでかい布(着ぐるみ)を持ち直してタイムを確認するのもひと苦労なんだが。ここから盛り返せるのかなあ。ランナーをどんどん抜いていき、15キロも越えて、やがて登り坂へ。18キロの10%の登り坂。毎回笑っちゃう坂なんだけど、今年はもうそれどころじゃない。必死に登っていく。そして一気に12%の下り坂。まだまだランナーを抜いていく。坂が終わり、やがて20キロ過ぎの道の駅。沿道のみなさんは俺が片手になに持ってるか分からないだろうけど、頭にはイチゴの被り物をしているので、イチゴイチゴって声をかけてくれる。カメラまで構えてくださる方もいてくださり、今年もエイドにあるイチゴを取らなきゃならない(使命感)。なんとか1個取れました。んまい!
沿道のみなさんがイチゴがんばれ、イチゴかわいいって言ってくれる。ありがとうありがとうって応えながら、(こんだけみんなあったかく声をかけてくれるんならイチゴの被り物だけでよかったんじゃね・・・)などと一瞬だけ(一瞬だけ何度も)思い、片手にでかい布(着ぐるみ)を抱えているけどもう片手でみんなに手を振って応える。ただなんで俺こんなハンデ持って(実際に持って)走ってるんだろ。せっかくの大好きなマラソン大会、なんの憂いもなく、満面の笑顔で応えたかった。いやめっちゃ笑顔で応えてるんだけど、片手の余計な荷物(着ぐるみ)が本当に邪魔、捨てちゃいたい・・・。ハーフ地点で1時間38分。ぎゃああまじかよ。
26キロ過ぎ、ひとりの女性ランナーを抜くときに、それ壊れちゃったんですかって話しかけられて、ああ、この方はスタートの時に見ていたんだな、だめでしたーって応えて、これはゴールまで持っていくしかないな、などとわけもなく使命感を持ってしまう。それから、ペースをできるだけあげていくけれど、なんとかキロ4分30秒を切っているくらい、ああ全然ペース上げらんない。これはもしや片手にでかい布(着ぐるみ)を持っていて手が振れないからなんじゃないか。いや手が振れない程度でそんなに遅くなるかあ? と思うけど疲労感が尋常じゃない。俺ばかなのかな。30キロで2時間17分。このままだと予想タイムはいくつなのか、目標をどうすればいいのか分からんわ。着ぐるみはゴール手前で着なおしてゴールしよう。もうタイムはいいや。沿道の声援に応えながら、ペースは落とさないよう着実に進んでいく。30キロ過ぎたくらいからようやくキロ4分20秒台がちょくちょく見えてくる。このままいけるか。37キロ、あと5キロくらいから40キロ地点の坂が楽しみになってくる。あの名物の坂が楽しみでしょうがなくなってきた。だいぶおかしくなっている。そして39キロ過ぎに右へのカーブがあると、よしこの先だ、と声に出す。そしてエイドを過ぎて、左に曲がって、見えてきた40キロの坂。おっしゃあ。できるだけペースを落とさず一気に駆け上がる。登りきったあとはほぼ平坦。そこまでしばらく聞こえていた後ろの足音が聞こえなくなる。振り切ったな。
ゴールが見えてくる。そして42キロ地点でいったんコース横にそれて立ち止まる。着ぐるみを着る。そして風でつぶれないようにもうゆっくりと、ほとんど歩くようなスピードでゴールゲートへ。ゲート横の時計は3時間15分を指している。いやあ15分台にゴールしたい。ちょっとだけスピードをあげると、いやなんか足がつりそう。だめだ。そのままよちよち歩きでゴール。3時間16分。
ゴールして、ドリンクをもらい、歩いていくと周りがみんな笑ってる。ああ、最後まで持って走ってよかった。チップを外すところで、ひとりのランナーが声をかけてくれる。スタート前にも声をかけてくれた方だ。いやあ結局だめで持って走っちゃいました、3時間くらいとか言ってすみませんでしたって話して、ちょっと前にゴールした女性ランナーにも声をかけられる。そのままロッカーに向かい、荷物を出していると、またひとりのランナーに声をかけられる。30キロくらいから付いてきて、おかげで自己ベストを出せたそうだ。ああ、この人が40キロで振り切ったと思ったランナーさんか。最後に着ぐるみを着なおしている間に抜いたそうだ。それはよかった、お役に立ててなによりですって返す。ばかみたいな走りでも人の役に立てたようだ。本当によかった。そして着替えていると、がたがた震えてくる。でかい布(着ぐるみ)を持って走ったせいでそんなに気にならなかったけれど、今日は寒いな、そういえば途中でちらっと雪が舞ったな、急いで着替えて、とん汁をいただきに会場へ。具だくさんで熱々のとん汁、お代わりして満足。そして宇都宮駅に向かうバスへ。途中でスタッフさんにまた来年もよろしくお願いしますって声をかけると、お待ちしておりますって返してくれた。来年はちゃんと走れる格好で、ちゃんと走ろう。お疲れさまでした。

はが路ふれあいマラソンはとにかく声援があったかく、なによりみんなが笑顔なのだ。沿道のみなさん、スタッフの人も、声援を送ってくれる人も声をあげない人も、みんなが笑顔で見てくれている。そしてランナーも、スタート前はピリピリした空気はなく、走っている途中も多くのランナーが声援に応え、ゴールしたあとも笑顔。このみんなの笑顔が、非の打ちどころのないほどの大会運営に輪をかけて素晴らしい大会にしてくれている。来年も絶対に参加したい。





2017年11月26日日曜日

11月26日(日)つくばマラソン

つくばマラソン、42.195キロ。
大本命レース。去年は膝を故障して、直前に風邪ひいた上にぎっくり腰まで重なってしまい、大失敗だったレース。おかげであまり印象はよくないけど、やっぱり全体がフラットで記録をねらえるらしい。自己ベストがおととしの、アップダウンがきついといわれるさいたま国際マラソンで、自分では会心のレースだったけど、これならもっと記録が伸びると思っていたところまさかの2年間の停滞。まあ振り返ってみるとそれほど走りまくっていたわけでもないので自業自得なのだけれど、さすがに全力の記録を刻んでみたいわけで。今シーズン予定していた先月のあつぎハーフは台風で中止になったけれど、東京トライアルハーフでは1時間21分。自分でも期待して挑む。
前日、自己ベストは目指すけれど、じゃあどれくらいを目標にすればいいんだろうかと思ってペースを計算してみる。キロ4分10秒を切れば2時間55分いけるか。よし、2時間55分切りを目標にしよう。晩ご飯はパスタを山盛りで食べる。茹ですぎておかわり。お腹が苦しい。眠剤を飲んで21時半就寝。1時過ぎにいったん起きる。やっぱり起きちゃったか。眠剤をまた飲んで横になるが、なかなか寝つけない。しまった、眠剤がレースまで残ってしまうのが嫌で短期の眠剤だけにしたけど、睡眠がとれないよりはましだった、中期も飲めばよかった。2時過ぎになっても寝つけず、相当焦る。この日のために2年間があったのに、睡眠不足でパーかよ・・・。やっぱりロヒ欲しいなあ。
アラームが鳴って目がさめる。いつの間にか眠れたようだ、どのくらい眠れたか分からないけれど、起床。シャワーを浴びて、4つ切り食パンを1枚食べて、あとは電車の中で食べようと出発。秋葉原からつくばエクスプレスに乗って、食パン2枚食べて、アイマスクをして研究学園駅へ。バスに乗り換えて会場へ。まずトイレ。それから着替えて、もう一度トイレへ。荷物を預けてスタート地点へ。8時35分過ぎに到着。寒い。がたがた震える。今日は一気に気温が上がるらしいから手袋もしてないけど、してくればよかったかしら。そのうちに8時50分、スタート10分前になって、市長があいさつ。今日は私もフルを走ります、の声に一同が沸く。市長が自ら走る大会は絶対にいい大会だ。列が進み、いよいよスタート。
号砲が鳴り、ウォッチのボタンを押す。そこからスタート地点までだいたい50秒。うわ、いきなり1分もハンデかよ。さらに走路が詰まってスピードが出せない。最初の1キロは4分43秒。いきなりきついなあ。いや、むしろあとで潰れないように最初はスピード出せないほうがいいかもしれん、と言い聞かせながら、合間合間を見てなんとか周りを抜いていく。次第に4分一桁を刻むようになる。このくらいでいいか。最初の給水所はスルー。尿意対策のためレース前に水分をとるのを控えて持参したザバスの小さいアルミボトルで給水する。このアルミボトル、3年くらいレース後のプロテイン補給で使ってきたなあ、今日でお別れだなあ。ありがとうと言いながらゴミ箱へ。こいつのためにも記録を残さなきゃいかん。10キロ地点で42分。あれ、サブスリー目安のときと同じゃねえか、と一瞬不安になるも、いやスタートのロスを考えると40分台か、むしろだいぶいいぞ、このままいければ。このあたりでようやく周りのランナーとの抜いたり抜かれたりが少なくなり、落ち着いてくる。キロ4分5秒くらいを目安に進む。15キロで最初のジェル投入。飲んでいると、集団に抜かれる。あれ、とウォッチを見るとキロ4分15秒になってる。ジェル飲んでてペース落ちてたか。あわてて立て直す。その後もキロ4分3〜5秒くらいで、これ最後まで持つんだろうかと自分でも思うくらい順調。あと10キロ、27〜28キロくらいまでこのままいけたらなあ、そこからは耐えていけるようにしようと思いながら進む。
ハーフ地点は1時間25分切れたらいいなあと思っていたけど、1時間27分。ありゃ、これサブスリー目安と同じだ。ええと、タイムロスを引くと、あれ、25分切れてないじゃん。やばい、ここからは落ちるだけか。ネットタイムを目指すしかないのか。なんとかこのままできるだけ落ちないでいって欲しい。
25キロで2本目のジェル投入。27キロ通過。よしまだペースは保てている。だいぶ調子いいぞ。30キロ地点、2時間5分。キロ4分10秒の30キロ地点が2時間5分だったから、よっしゃ、2時間55分いける、しかもグロスで。さらに足も胸もまだ全然苦しくない。本当に調子いいぞ。31キロすぎ、あっそうだ、カフェインとるんだった、忘れるところだった、でカフェインを投入。まだまだいける。33キロで3本目のジェルを投入。走っていると去年のコースの記憶が戻ってくる。ああ、ここからは陸橋に戻ってあとはラストだ。坂を登って陸橋を渡り、下って、胸も息も苦しくない、足もまだもってる。これはいける、なにかアクシデントさえなければいける。周りの声援に応えながら走っていく。やがて筑波大学構内へ。紅葉がすごくきれい。まだ大丈夫。さらに少しずつペースを上げる。どんどん抜いていく。40キロ地点で2時間45分。よっしゃこれはもう確実だろう。まだペースをあげて、41〜42キロのラップが3分台。スパートをかけていたらふくらはぎがちょっとだけつりそうな感覚がして、いやいや耐えてくれ、もうちょっとだけ頼むと祈りながらスピードをあげたままゴールの競技場へ。フィニッシュゲートが見える。横の時計は2時間53分。よっしゃああああああとダッシュしてフィニッシュ。2時間53分。

振り返って満面の笑みでゴールを見つめる。自己ベストの喜びに2年ぶりに浸る。同じく記録を達成したであろうランナーが笑顔で、ガッツポーズでフィニッシュしてくる。おめでとうとひとりひとりに声をかけたくなるくらい自分も高揚してしまう。最後までまったく苦しむことなく走りきることができた。周りのシリアスランナーには比べるまでもないほど走り足りていないけど、これが全力の記録。大満足。そして、実力も、気持ちも、これ以上のタイムはちょっともう出せそうにない。そう思うほど走りきった。来月は大好きなはが路ふれあいマラソン。そこはもちろんファンランで、それからはどうしようか。ちょっとまだなにも考えられない。とにかく、なんというか、「やる」という言葉は好きじゃないのだけれど、やりきった。


2017年10月28日土曜日

10月28日(土)東京トライアルハーフマラソン

東京トライアルハーフマラソン、21.0975キロ
先週走る予定だったあつぎマラソンが台風のため中止になってしまい、このレースが今シーズン初戦。初戦っていってもハーフだけど。
27日(金)は健康診断。終わったあとなんだか体の調子が良くない。あれ、これはあれだ、風邪っぽい。これはまずい。ここまで風邪なく怪我なくきてたのに、前日にこれかよ。相当あせる。発売日だったマリオオデッセイもそこそこに就寝。起きたら治ってるかなあ。
当日6:30起床。だめだ、のどの奥が痛い。風邪が治らない。ハーフの大会はあまり出場しないから、ハーフの記録を目指すための貴重な大会だったのに。ものすごく落胆しながら、走りきれるか不安になりながら、朝食ご飯1.5合、納豆と卵で食べる。出発。乗ろうとした時間の電車を逃して次の電車に乗る。ついてないなあ。乗り継いで四ツ木駅に到着。去年も出たからだいたい分かるし、といっても案内のスタッフさんが誘導してくれているから安心だけど、会場に進み、まずトイレ。トイレを済ませて、着替えに行く途中で、あっゼッケン留め忘れた、着替えて、またトイレに行って、スタート地点に並ぶ。あ、リストバンド忘れた。やっぱり今日はだめだ・・・。もうしょうがない。フルの調整と割り切るしかない。ろくにストレッチもできずに、スタート。
けっこうレベルの高いランナーが多い大会だから、周りのスピードに惑わされないようにしながら走っていく。最初の1キロは3分42秒。混雑を避けるためにもペース上げてるからこんなものだろう。混雑がなくなってからも、しばらく3分45秒くらいを保ったまま進む。4キロくらいだったか、いっきに汗が出てくる。風邪のせいか。やっぱり調子よくないなあ。リストバンドがないから汗が拭けない。ああー忘れたのほんと大失敗。5キロすぎだったかで集団に抜かれる。やっぱりペース落ちてるのかな。ウォッチを見ると3分50秒。ああ、ここからどんどん落ちていくのかあ、どこまで我慢できるかなあ、体調が悪化して倒れたりはしないよなあ、などとマイナスなことを考えながら進んでいく。
7キロ手前で折り返し。キロ4分30秒、5分、とペースランナーとすれ違っていく。ハーフはそんなに差が出ないからすぐだなあ、などと思う。次の折り返しはどこだっけ、まだだっけ、まだかよと思いながら、キロごとのペースを見ていくと、3分50秒前後。順調に落ちていってるなあ、でも4分までは落ちていないぞ、と思いながら、でもまだ半分あるし、まだ半分近くあるし、体調がここから悪くなるかもしれないし、不安は消えないまま走る。
10キロを過ぎて次の折り返し。3分55秒くらいまで落ちてきている。なんとか耐えてくれ。ただ足はまだ疲れは出ていない。このままいけるかなあ、さらに14キロで最後の折り返し。あと7キロか。スパートのことを考え始める。前を走っているランナーは抜きたい。どこらへんでスパートしよう、5キロはさすがに早いか。3キロならどうだろう、残り3キロでいけるか。残り3キロ地点。しかし前もペースが落ちない。ここで追い抜いてもまた抜かれそう。そう思うとスパートできない。そのまま残り2キロ。ここで、右胸あたりが痛くなってきた。うわ、ここにきてこれか。痛い痛い、苦しい、むしろペース落ちそう。前のランナーに必死に付いていく。痛みは引かない。だめだ、最後まで全力出せずに終わるのか。最後の1キロ。少しのアップダウンがあって、ゴールが見えてくる。去年はここでダッシュしたなあ、今年は無理だあ、必死になって、それでも最後の最後でダッシュ。1人抜いて、もう1人は無理か、途中からウォッチでタイムを見ていなかったけど、ゴールに掲示してあったタイムをゴール直前で見ると、1時間21分。あれ、これけっこういいタイムかも、もしかして自己ベストかも。そう思いダッシュのままゴール。1時間21分。
ゴールしてチップを外してもらって、東京マラソンの抽選箱にゼッケンの抽選券を入れて、記録証を発行してもらって、風邪が悪化しないように急いで着替え。風邪薬も飲む。着替えてから去年の記録を確認すると、去年は1時間23分だった。よっしゃやっぱり自己ベスト更新じゃん。やったやったー。風邪ひいてなきゃ、もう少しうまく走れていれば1時間20分いけたかもなあ、それでも20分切りは難しかったかなあ、と思いながらレースのペースを確認すると、キロ4分台まで落ちている区間がひとつもなかった。おおーやった。8月の最上川S-mileマラソン、9月の月例赤羽、そして先週先々週と雨で仕方なくだけどトレッドミルと、スピード練習したのが役に立ったのかな。反面、距離はまったく踏めていない。6月の柴又100K以降、一度だけ52キロ走ったけど、それ以外は24キロが最高。この夏ずっと続いていた不眠を、そして夏の暑さを言い訳に走ってこなかった。フルになるとこの練習不足が効いてきそうだなあ。それでもひとまず今回の自己ベストは喜んでおこう。
そのあと、東京マラソンの抽選会。最初の10人中6人が名乗り出なくて再抽選が行われた、去年はそんなことなかったけど、まあ当たると思わないし今年はエントリー期間延長するくらいだったし、しょうがないのかな、再抽選も最後まで聞いたけど当たることもなく、やっぱり今年も東京マラソンは走れません。

なんだかんだいってハーフの自己ベストは出せた。しかし目標はあくまでフルの自己ベスト。来月の本命、去年は風邪に腰痛にいろいろ重なってだめだめだったつくばマラソンまで距離走しないとなあ、明日来週と30キロできればいうことないんだけどなあ、でも明日はまた台風だしなあ、などとまた言い訳を考えながら、来月までなんとかしないといけないなあと考えている。


追記:走ったあと帰宅してビール飲んで西新井の富士丸に行こうとしたら雨が降っていなかったので9キロ少々走っていった。これで30キロ走達成したでげふー(してない





2017年6月25日日曜日

6月4日(日)柴又100K その2

柴又100K、100キロの続き。

後半再開してすぐ、VFFの中に違和感。しまった、急ぎすぎてごみが入ってしまったか。仕方ない。立ち止まり、もう一度VFFを脱ぐと、やはり枯れ草が紛れ込んでいる。せっかくあんなに急いだのに、というか急いだせいか。ごみを落として履き直し、改めて再開。しかし、被り物のさくらんぼが暑い。最初のエイドで一旦脱いで、ボランティアの子に水かけてもいいですかって声をかけて、被り物の中に水をかける。被り直す。よし、多少楽になった。再度走り直す。途中で同じくビブラムを履いたランナーに抜かれる。ビブラムーって叫ぶと、そっちも、とポーズを返してくれた。
また走り始めるが、前半最後に感じた足の重さは抜けていない。いやむしろ悪くなっている。かなりきつい。これじゃあ10時間は切れないぞと言い聞かせるが、足が動かない。橋を渡り、55キロ手前、後半最初の坂道を上っていると、ちょっともうだめだ、今年も失敗だった、ここから挽回できる気がしない、と、ギブアップ。坂を上ったところで立ち止まってしまった。足を伸ばして、さっき折り返しで声をかけてくれたランナーがいたなあ、すぐ後ろで追ってくるなあ、みっともないなあ、と思い、少しでも走ろう、とまた走り出す。なんとか我慢していると、どうにかキロ6分を切るくらいまで回復してきた。ああ、なんとか走り続けられそうだ。10時間とかとりあえず置いておいて、行けるところまで走っていこう。ときどきすれ違う往路のランナーがさくらんぼーって声かけてくれる。ありがとうございます。ファイトーって返していく。そうしてなんとか走り続けられ、だいたい60キロ地点、往路でエコ・スポいずみへと曲がるところを直進。沿道の人に、ここから追い風だぞ、って声をかけられる。思わずまじでー! ほんとにー! と叫び返して、勇気づけられた。よし、本当に追い風ならなんとかなるかと思い、走っていく。本当に追い風だったのかそれとも気の持ちようだったのか、ここらへんからはまたペースを回復。キロ5分40秒くらいまで上げることができた。順調に進んでいって、70キロが近くになり、また時間が気になり始める。70キロ地点で13時3分。ええと、あれ、よく分からんが、これもしかして10時間どころか9時間30分も切れるかもしれん。すごい順調だ。しかしここから気温が一番高くなる時間帯。気をつけて走らなくちゃいけないと言い聞かせる。60キロ部門のランナーと合流して、すれ違い、抜いていく。ときどきワラーチを履いたランナーがいて、ワラーチファイトーと声をかけていく。たまにビブラムファイトーって返してくれるランナーがいてうれしい。
しかし、ゴールが意識に入ってきたからか、次第に1キロ1キロが長く感じられてくる。だんだんつらくなってくる。次の給水所が遠い。給水所についてもかぶり水がない。こんなに暑いのになんでかぶり水ないんだよと悪態をついてしまう。コップの水を被り物にかけて、1度スポーツドリンクをかけてしまったりして、走り続ける。河川敷の長い長い道を走っていると、これでもゴールまだまだなんだよなあ、いつまで走ればいいんだよ、と気持ちがマイナスに向かっていく。100キロ走り切れたからってなんだっていうんだ。俺なんてチョンガーだしラン友とかラン仲間とかもいないし、100キロ9時間半切ったからって自慢する相手もいない。誰も反応してくれないだろ、ふーん、で終わり。なんのために走ってるんだろなあ、ここでやめても別に何も変わらないよなあ、と思ってしまう。しばらくそんな葛藤をして、ふと、ああいかんいかん、とにかく100キロ走ろう。100キロ走って、ゴールしたら会場の芝生に思い切り倒れ込んで寝てやる。そうだ、これ最高に気持ちいいだろうなあ。これを目標にしよう。
そして80キロ、14時。あと20キロを2時間半かな、大丈夫だろう。よしここで最後のブースト、カフェインを投入だ。80キロと90キロでカフェインを取ろうと決めていて、ポーチを探る。あれ、あれ、あれ、ない。えっ、どういうこと、カフェインないぞ。あっ・・・。大会前に荷物の準備をしていたとき、ポーチにいったん入れていたのを、カフェインはどうせ前半で取らないんだからとドロップバッグに入れ直していたんだった。そして50キロのレストステーションでは時間がなくてあせりすぎていて、ちゃんと荷物を移さなかったんだ。しまったああああ。ちくしょうちくしょう最後の踏ん張りがあああ。あーもう仕方ない、給水所にコーラがありますように。かなりショックを受けていながら、切り替えるようにして、走る。スペシャルバッグが置いてある給水所に到着。今回はスペシャルバッグは預けていないけれど。かぶり水をかけてもらい、コーラがあった、コーラを飲んで、すぐに走り出す。このコーラ効くといいなあ。その後も給水所ごとにコーラを探すけれど、なかなか置いてない。ああーカフェインがあ。結構引きずるなあ。そして90キロ。だいたい10キロごとに取ってきた補給食も最後だ。とポーチを探るが、補給食もない。おいおい・・・。これもあせりすぎたせいか。あと10キロで倒れることはないだろうけど、カフェインも補給もなしかよ、というか計画が崩れたのがきつい。それでもあと10キロ。耐えて走っていこう。
だいぶ涼しくなってきた。ペースは6分を切るくらいで走れている。それでも慎重に、給水所ではいったん立ち止まり、かぶり水をして走る。やがて最初に通った砂利道。最後の関門。去年は感覚がなくなったのかそれほど痛みは感じなかったけれど、今年は痛い。痛い痛いと声に出しながら、今年は痛いってことはまだまだ元気だってことだと前向きになって進む。けっこう長く感じる砂利道を抜けて、よし、もうゴールが見えるころだ。早くゴールしたい、芝生に倒れこみたい、と思い進むと、見えてきた、白いテント群が。よっしゃ、ゴールだ、ついにゴールだ、体はまだ動く、元気だ、いける。ゴールが近くにつれスピードが上がり、最後の下り坂を下りて、被り物に喜んでくれている沿道の人たちとハイタッチして、ゴール地点のテープを切るのに合わせて思い切り手を突き出し、ゴール。9時間22分。よっしゃああああああ。
メダルをかけてもらい、水を何杯もいただき、これが最高においしい、給水の方に何度もうまいっす最高ですと言って、念願の芝生に倒れ込む。横になっていたら、涙が出てきた。泣いてしまった。やった、走りきった。走ってよかった。そうしてしばらく横になってから、荷物を受け取り、着替えて、また水を飲み、ゴール地点をしばらく眺めて、会場を離れる。お疲れさまでした。

去年の思い残しはすべて回収した。9時間半を切るおまけ付きで。それにしても長かった。50キロ前後のあの足の重さ、絶望はなんだったんだろう。荷物の準備、ドロップバッグの移し替えなどいろいろ足りてないところもあった。もっとうまくやればもっと早く走れたかもしれない。それでも、これが全力。これで今シーズンは完全終了。来シーズンの大会のエントリーがいくつか始まっているらしいけど、今はまだ考えられない。次は何を目標に走ろう。燃え尽きた。満足だ。

2017年6月8日木曜日

6月4日(日)柴又100K その1

柴又100K、100キロ。

届かなかった3分を取り戻しに。

去年初めてウルトラマラソン、柴又100Kを走って、10時間3分。もう100キロなんて二度と走るかって思ったけど、どうしてもサブ10に足りなかった3分が悔しくて、もう一度だけと思ってエントリー。かすみがうらマラソンを終えてから、ロング走を53キロ、53キロ、70キロ、52キロをこなしてきた。70キロ走ったときはあと30キロをどうやって走ることができるのか、想像すらできないほど疲れてしまった。ロング走は去年と同じくらい。じゃあなにを変えればいいのか。去年は100キロ走るのに胃に食べ物が残るのを恐れて、軽めの朝食で済ませて、エイドもろくに取らなかったのが一番記憶に残っている。だから今回はきちんと食べて、食べながら走ることにしよう。
前日は21時前に眠剤をかじって就寝。当日3時起床。シャワーを浴びて、ご飯1.5合に納豆と卵の朝食をとって、出発。始発の山手線、地下鉄を乗り継ぎ、柴又へ。5時38分柴又着。帝釈天に寄り、10時間切れたらまた来ますってお参りして、会場へ。まずトイレ。服を脱いで着替えて、50キロ地点に置いておくドロップバッグに荷物を移して、荷物を預けて、もう一度トイレに寄って、スタート地点に並ぶ。しばしして6時30分、登録の部スタート。さあいよいよだ、4時40分までに戻ってこられるか。列が進んでけっこう前の方に並べた。そして6時40分、スタート。
ロスは4秒。レースプランは50キロまでキロ5分で行って、50キロの折り返しのエイド、去年は15分かかったところをできるだけ短くして、帰りもできるだけ粘って、70キロ以降はキロ6分以内に収めるといったところ。去年のペースがどのくらい落ちていったのか覚えていないけど、前半キロ5分、残り30キロをキロ6分にできれば、エイドで止まった分を考えてもサブ10はなんとかできるんじゃないかなあと思う。はじめのほう、ラップはキロ4分45秒前後。うん、これくらいでいこう。と、3キロすぎで車が横断するとのことでいきなり止められる。おいおい100キロの中のたった数秒、十数秒とはいえ、これは焦る。そしてまた走り出して、6キロ、また車の横断で止められる。おいなんだよこれ。後ろのランナーが2回目かよって言うのが聞こえる。あなたもですか。そのあとは順調に進んでいく。太陽は雲に覆われて日射しはまだ強くない。このままいければなあ、などと思う。沿道のスタッフの方がおはようございます、がんばってくださいってあいさつしてくれる。そうか、まだ7時、8時なんだ、おはようの時間なのかあ。起きてからもう4、5時間経っているのになあ、やっぱウルトラマラソンっておかしいや。
15キロ過ぎころから、少しペースが落ちてきているのに気づく。それと同時に尿意を感じてきているのにも。ペースが落ちているのはこの尿意のせいか。どうしよう。行けるなら早めに行っておいた方がいいか、100キロの長丁場だし、それほどのロスじゃない。と思い、20キロ地点でトイレに寄る。朝は脱水を避けるために会場に着いてから500ミリリットルのアクエリアスにメダリストのアミノダイレクトを溶かして飲んでいた。脱水になるよりはいいか。走りを再開し、21キロ地点でペース5分半。だいたい30秒のロスかあ。トレに寄るなんて初めてだったかもしれん、いやいや去年の柴又で寄ってるじゃねえか、とひとりでつっこみ、走っていく。雲がなくなり、太陽が出てきて、気温も上がってきたのが分かる。
25キロ過ぎ、あれ、なんだか足に疲労を感じる。おいおいまだたかが25キロだぞ、いつも走ってる距離だろ。と思いながら、なんでこんなに早く疲れが出てきているんだ、こんなんじゃ後半どうなってるか分からんぞ。そう感じるのと同じくらいで、風が強くなってきた。30キロ過ぎて足にはっきりとした疲労を感じるとともに、風はどんどん強くなる。いや強いなんてもんじゃない、暴風に近い。前からというか横から思い切り風が吹いてくる。距離表示のコーンが倒されているのか倒しているのか、ほとんどすべてコース横に倒れている。帽子はすでに脱いでいる。日射しが強いけれど風のおかげでそれほど暑くないのかも、助かっているのかもしれない、なんて思うけれど、さすがにこの風はひどい。ときどきなんだよこれ! と口に出して叫んでしまう。ランナーの横を風強過ぎますよって言いながら抜いていく。ああ、去年のほうがコンディションよかったなあ、去年10時間切れていればなあ、これで復路も向かい風だったらぶち切れるぞ、なんてことをずっと思いながら走り続ける。
40キロ手前で河川敷を離れてエコ・スポいずみのエイドへ。ボランティアの方々が梅干しとかを差し出してくれるけど、大丈夫ですって断り、水だけ取って駆け抜ける。そしてエイドを抜け、河川敷に戻り、橋を渡り、ここが3か所目となる未舗装路へ。いつも通りシューズはビブラムVFFなのでできるだけ端の芝生の上を走るけれど、今度は草が邪魔して思うように走れない。石もときどき踏んでしまう。あまりにも長くて、ペースも落ちてきていて、砂利が少ないところがなく足裏へのダメージがひどくて、心が折れかける。いや、この砂利道を抜けたころには完全に折れてしまう。45キロ過ぎから50キロの五霞町のレストステーションまで、どんどんペースが落ちているのが分かる。他のランナーにどんどん抜かれていく。なんとか、なんとかキロ5分で折り返したい、と思いながら、長い長い道路を走り、ようやくレストステーション。キロ5分なら50キロ地点で10時50分だけど、目に入ってきた50キロ地点の時計は、10時53分。あー・・・、だめだった。去年は50キロでペース5分17秒だったはずだから、ええと、分からん。去年とそんなに変わらんだろう。とにかく必死にあと400メートルを走り、レストステーションに到着。水を飲んで、トイレに寄り、かぶり水をかけてもらい、トマトを受け取り、ドロップバッグを受け取る。今年は時間短縮のためにシャツを着替えることもせず、時間がない時間がないとつぶやきながら、急いで補給食を補充して、軽く日焼け止めを塗り、足の痛みを感じていたから一旦VFFを脱いでみたら、案の定擦りむけて血が出ている。絆創膏をはり、急いで履き直して、もう一度水を受け取ってアミノダイレクトを飲んで、レース再開へ。ここで去年と同じく被り物、さくらんぼを被る。去年はここで15分かかったけれど、今年は10分。かなり急いだのに、こんなものかよ。余裕がない。

続く。





2017年4月16日日曜日

4月16日(日)かすみがうらマラソン

かすみがうらマラソン、42.195キロ

土曜日、いつもどおりの寝不足。金曜はいつにもまして3時間しか寝られず、21時には寝ようと晩ごはんにパスタ山盛り食べて、眠剤を飲もうとしたら頼みの綱のロヒが1mg2錠に2mg3錠しかないことに愕然とする。尽きるときが目前に迫っている。これなくなったらどうなるんだろう。なんだかんだしていて22時前に就寝。
当日は5時にアラームが鳴るまで目覚めず。ああよく寝た。もうちょっと眠れたら完璧だったけど。シャワーを浴びて、うどん2玉を食べて出発。乗りたい電車に間に合わなさそうで、余計な体力を使いたくなかったけど、走る。山手線で上野へ。そこから土浦行きへ乗り換え。去年どおり余裕で座れる。4つ切り食パンを3切れ食べて、土浦までアイマスクをして寝る。8時前に到着。道なりに進んで会場へ。日差しが強い。今日は暑そうだなあ。まずトイレへ行って、日焼け止めなど準備をして、まだ時間に余裕があったけど荷物を預けて、念のため途中またトイレに寄ってスタート地点へ。マイルの部のスタート前で、スタートを見送る。そしてフルのスタートに並ぶ。あら、えらい前なんだけど。こんな遅いランナーなのにこんな前でいいのかしらと思いながら座ってスタートを待つ。いよいよスタートが近づき、立ち上がってスタート地点に整列する。前から6、7列目かな、かなり前だ、下手な走りはできんのう。司会の方がいろいろと盛り上げてくれて、周りのランナーとハイタッチしましょうって呼びかけて、隣のランナーとハイタッチをする。ああ、これいいなあ、よろしくお願いします。そしていよいよスタート。
号砲が鳴り、ロスは3秒ほど。早い。周りも速いランナーが多く、スタート直後のストレスがあまりない。いやあいいねえ。だいたいキロ4分くらいを目安にして走る。最近はこのくらいのペースが普通になってるなあ。今回こそはもつかなあと思いながら、体はそれほど無理はしていないと確認して、ペースを保って走っていく。初めのほうはアップダウンが続くけれど、ペースは無理せず、体が動くとおりに走っていく。が、それにしても暑い。夏日になりそうなんだっけ、あっついなあ。汗がどんどん出てくる。これは給水しっかり取らないとまずいだろうなあ。私設も含めて、エイドの給水を水とスポーツドリンク、アミノバリューだった、を2つしっかり取っていく。スポドリは飲んで、水を頭からかけて冷やす。10キロ地点で41分。まあまあか。沿道の声援に応えながら、順調に進んでいく。アップダウンで多少のブレはあるけれど、だいたい4分5〜10秒くらい。ハーフ地点で1時間28分。うーん、少し遅くなったけどまあ許容範囲か。このままいけばサブスリーはできそうかな。折り返しがあり、ここからはほぼフラット、かすみがうらを横に見ながら走っていく。途中でランナーと暑いですねえなどと会話をかわして進んでいく。
気づいたら、折り返してからペースが落ちてきている。ウォッチを見ると4分20〜25秒くらいまで落ちてきている。あれえ、自分ではそんなに落ちている感覚はないのに。ウォッチがおかしいのかなとすら思ってしまう。けれどそんなはずはなく、4分15秒を切れなくなってきているのを確認して、このままだと前半の貯金がなくなるのにどれくらいだろう、どこまで耐えられるかな、と思いながら走る。これは前半飛ばしすぎたからか、それとも暑さからか、いややはり実力不足か。なんとかペースを戻したい。ランナーを抜いたり、逆に抜かれたりしながら走っていく。
給水所でスポドリを飲んで、水を頭からかけて走っていくけど、スポドリの甘さが辛くなってくる。水を飲みたいけど体にかけるほうを優先しなきゃだし、この暑さだからミネラル分を補給しなきゃと思って我慢してスポドリを飲む。ああもうこの甘さきつい。スポドリを続けていると辛いっていうのはこういうことか、と思いながら、それでも必要だから必死に飲んで、耐えて走っていく。少しづつウォッチのキロ表示とコースのキロ表示が違ってきているのにいらついてくる。30キロで2時間6分。ああ、これなら大丈夫でしょう、大丈夫だよね。32キロ地点で、ちばアクアラインマラソンはここからきつかった、35キロ地点を過ぎて、いわきサンシャインマラソンはここからつりそうになったんだった、37キロ地点、ここで2時間27分、んー、大丈夫なんだろうか。38キロ地点で、先月の板橋Cityマラソンはここからつりそうになったんだった、耐えてくれよー。もうタイムの見込みを計算する余裕がない。このまま体が動くままに行くしかない。
40キロ地点で2時間50分。いやもう51分になりそうな50分台。沿道からサブスリーいけるぞって声がかかる。ああ、これなら大丈夫だろ、と思ったけど、最後の195mがどうなるか、ぎりぎりなんじゃないか、うわやばい、ここまできてついに足がつりそうになってきている。耐えるしかない。きつい。必死で走り、いくつか曲がり角を曲がり、最近のレースでつりそうになってできなかったスパートをしたい、でもつりそう、もうすぐゴールなのに一気にいけない、耐えろ、もうすぐゴールだ、あっ競技場だ、ゴールだ、よし、とゴール地点の競技場に入って、ゴールにある時計を見ると、ちょうど3:00:00になったところが見えた。あー・・・。
それでも、最後の最後、本当にラストだけ、意地で全力疾走して、ゴール。3時間0分。いやいやいや、おいおいおい、なんなのこれ、ちょっとどうにかしてよ。もう苦笑いも浮かばんわ。ドリンクや地元名産品、れんこんめんなどを受け取り、記録証を発行してもらい、やっぱりサブスリーできなかったね。あーあ。ていうか板橋Cityマラソンより遅かったのかよ。そのあとは着替えて、水をがぶがぶ飲みたいんだけど水道が見つからなくてきつくて、毎年恒例にしている盲導犬に会いに行って撫でていろいろお話し聞いて、駅に向かって電車に乗って、帰路へ。お疲れさまでした。

これで今シーズンのフルマラソンはすべて終了。有終の美は飾れなかったけれど、まあ今まであれだけ怠けまくっていたらこうなるわなっていうものを象徴した最後だった。今日は暑さのせいがあったのかもしれないけれど、日ごろからちゃんと走らないとだめですね、特に長い距離。というか、なんでこんなに3時間いったりいかなかったりの間でうろうろしているんだろう。サブスリー余裕なら余裕、できないならできないではっきりしたいわ。いやできないのは嫌ですけど。とかひと事みたいに言っているけど全部自分のせいですからね。
というわけで、夏はちゃんと走ろう。その前に100キロマラソン、6月に今年も柴又100Kに申し込んじゃったからそのために走り続けなきゃいけないのだ。






2017年3月20日月曜日

3月19日(日)板橋Cityマラソン

今週はずっと寝不足が続き、さらに悪あがきで食事制限のせいかずっと体調がよくなかった。前日18日(土)、夕食にいつも通り山盛りパスタを食べ、カステラも食べる。前日だけはたっぷり寝ようと、21時に寝ることにするけれど、なんだかんだで床についたのは22時。しかし、そこから眠れない。姿勢を変えたり、うんうんうなったり、どうしても眠れない。0時近くになって眠剤を追加して、ようやく寝る。5時半にアラームをセットしてたけど、その前に起きてしまう。ああ、また寝不足だ。さらにはひどい寝不足のときの症状、手先のしびれまで出てきている。やっちまった。走るのが不安で不安でしょうがない。ただでさえ練習不足なのに。
起きてシャワーを浴びて、ご飯1.5合を食べる。板橋Cityマラソンは近いから、なんたって去年は5時に起きるつもりが7時に起きても間に合ったくらいだから、準備は当日起きてからにしようと思っていたけれど、ウェアが見つからないわゼッケン留めが見つからないわ大失敗。準備は前日にしておこう。いろいろ不安を抱えたまま7時過ぎに出発。
浮間舟渡駅に着いて、周りに合わせて進んで会場へ8時前に到着。まずトイレ。それほど並ばずに済ませることができた。よしよし。今日は暖かいから早めに荷物預けを済ませてスタートに並ぼう。さっさと支度して荷物を預けて移動、あっ日焼け止め塗るの忘れた。どうしよう、戻るか、いやもういいか。すぐにスタート地点に行くつもりだったけど、まだ早いし念のためもう一度トイレに行っておこう、と並んだらこれが大行列。相当時間がかかり、結局スタート地点に着いたのがスタート15分前くらいになってしまった。並んで、先月いわきサンシャインマラソンで靴ひもがとけたのを繰り返さないように、念入りにしっかりとひもを結んでスタートを待つ。9時スタート。号砲と同時にウォッチを押す。
Dブロックでのスタートで、前にかなりランナーがいて、スタート地点のマットを踏むまで1分17秒ほどかかる。そこからも大渋滞は続き、これは毎年仕方ないと割り切っている。まあ多少のロスがあってもグロスサブスリーで及第点だろう、それくらいできるだろうと焦らずに走っていく。最初の1キロはラップ5分20秒。ひゃあ、と思ったけど、スタートまでとこの渋滞ならこんなもんだろう。それからランナーの間を抜けたり土手のアスファルト舗装していない部分を走ったりして自分のペースを取り戻していく。ペースは4分5秒から10秒にならないくらい。速すぎるかと思ったけど、体が動くだけこのままいってみよう。しかし、暑い。やっぱり今日は暑い。途中で取ったスポンジがありがたい、生き返る。スポンジを持ったまま走っていく。汗が拭けるし給水所でコップから水を補給できるし便利だなあ、と捨てられず。舎人ライナーの線路が見えて、扇大橋をくぐる。ああ、ここがいつも走ってるところかあ、西新井の富士丸まで3キロかあ、などと思いながら、10キロ地点のタイムが42分。ロスを考えるとまあ妥当か。ペースはずっと4分一桁秒を示している。しばらく進んだ途中、審判員がコース中央に立っていて、向かい風がどうこう言っているのが聞こえた。向かい風? っていうか風なんてないぞ、と思ったけど、もしかして今追い風なのか、だからペースが速いのか。とすると復路がきつくなるのか。気のせいだと思うことにして、そのまま走っていく。やがて21キロ手前で折り返し、タイム表示があって、1時間28分。よし、これならいけるか。ただこのペースのままいけるとは思えず、どこまで耐えながら進んでいけるかになるだろうな、と予想する。
折り返したら、向かい風がずっと吹いている。まったくやむことがなく、終始風が吹きつけてくる。ああ、審判員が言ってたのはこれかあ、風はまいったなあと思いながら、ペースを見ていくと、4分20から25秒あたりを刻んでいる。折り返しからぱたっと落ちてきている。これは風のせいか、それとも力尽きたか。ちょうど折り返しからってことはやっぱり風か。いや風がなかったら暑くてだめになっているかもしれん、どっちにしても力不足だ。25キロのタイム表示で1時間45分。ただ25キロがどれくらいのタイムだといいのか分からん。28キロ過ぎで、2本目となるジェル、東京マラソンEXPOで売り切れだった新発売のメダリストのグレープを摂取する。あっこれはんまい。えらいうまいぞ。気を取り直して残り走っていこう。
30キロで2時間7分。これなら大丈夫か、いや去年の千葉アクアラインマラソンでは32キロから足が止まったから油断はできない。35キロで2時間29分。ああ、大丈夫だ、いや先月のいわきではここから足がつりそうになったからまだまだ安心できない。自分のペースが落ちてきているけれど、それでもランナーを次々と抜いていく。みんな前半で突っ込んでいるのか、落ちてきているのか。沿道の応援は熱心な人が多く、熱い。ひとつひとつ応えながら、力をもらいながら進む。37キロ、38キロの応援が、なんとかサブスリーがんばれって言っている。いやこれサブスリーは余裕でしょ、と思っていたら、ウォッチを見て、残り時間を数えると、そうでもないのか、ギリギリなのか。でもここまでそれほどきついって感覚はなかった、よしこれなら最後ペースを上げていこうか、そんなことを思っていくと、40キロ手前で、ふくらはぎがぴくびくといい始めた。ああああまじかよ、しまった、ついにきた、ここまできてつりそうだ。またスピードが上げられなくなってしまった。40キロ地点で、応援の人がキロ4分半でサブスリーだよって声をかけてくれた。大丈夫か、足はもつか、ゴールはまだか。ああ、スパートかけたかったなあ、ダッシュしたかったなあ。もうつることだけは避けながら必死に走っていく。やがてゴールが見えてきた。ダッシュしたい、でもできない。42キロの表示、ウォッチを見ると、ちょうど3時間を過ぎたところ。あああグロスだめだったかあ。ネットかああ。最後までダッシュできずに、なんとかこらえてゴール。ゴールしてからウォッチを止めて、3時間55秒くらいだったか。ネットはなんとかなったけど、グロスサブスリーならず。

うーん、なんだか、自分の限界まで出し切ったというか、やりきったという感じがしないまま、荷物を受け取り、着替えて、会場を後にする。先月に続いてまた足がつりそうという目にあってしまった。これまで足がつりそうというということはあまりなかっただけに、2大会連続だと気になってしまう。水分不足か睡眠不足か、いややっぱり練習不足か。大会自体は大変スムーズで楽しかっただけに、自分の不甲斐なさが身にしみた。ちゃんと普段から走ろう。それはともかく、ようやく食事制限、アルコール制限から解放された。しばしの間、我慢していた分ばくばく食べよう、がぶがぶ飲もう。そしてまたでぶになる。練習は不足する。悪循環。









2017年2月12日日曜日

2月12日(日)いわきサンシャインマラソン

年に一度の遠征ラン。
今年もいわきサンシャインマラソンがやってきた。今年もといいながら、参加は2度目。エントリーは4度目だけど、去年ようやく走れたばかり。11日(土)、高速バスでいわきへと向かう。昼過ぎにいわきに到着。ホテルにチェックインしたあと、ウェルカムパーティーへ。思いきりカーボローディングしてやる、と意気込んだものの、今年はテーブルごとに料理が置いてある。あれ。テーブルにはおにぎりが置いてある。パーティーが始まり、あたりを見渡すけど、カレーはどこいった。パスタもないぞ。なんてこった。おにぎりを食べ、椎茸うどんは今年もあったので食べて、お腹いっぱい。むむう、カレー食べたかった。パーティーが終わり、ホテルに戻り、眠剤をかじって早々に就寝。ここ毎年天気に恵まれないけど、明日は晴れるらしい。風が強いらしいけれど。
朝4時半にいったん目が覚め、そのまま5時15分に起床。5時までぐっすりといきたかったな。ホテルの食事は6時と聞いていて、ほんとはレース開始3時間前の6時に食べ終わりたかったけどしょうがない、6時に行くともう開いてる。ご飯を茶碗に4杯食べる。部屋に戻って支度して、テレビの天気予報で強風注意報が出ている、7時過ぎに出発。駅前にはもう人がいっぱい。バスに乗ってスタート地点へ。
スタート地点の陸上競技場に着いて、まずトイレ。体育館の2階に行くと、待ちなし。着替えて、スタート地点の荷物預けへ。荷物預け前に仮設トイレがあったはず、そこでもう一度トイレを済ませようとしたら、大小兼用しかなくて長蛇の列。いったん戻り、小を済ませてまたスタートへ。荷物を預けて、整列。スタート前にいわき市長のあいさつ。去年も、昨日のウェルカムパーティーもだったけど、この市長さんの話面白いなあ。と、そしていよいよスタート。
号砲と一緒にウォッチのボタンを押す。今回は早めに並んだから、ロスは7秒。さて、今日の目標タイムは。先月の森林公園マラソンから30キロ走をしていない、まあなんとかサブスリーできればいいかと思って走る。今回もさくらんぼを被って走る。沿道からさくらんぼがんばれって声がかかる。それに声で応えたり、手を振って応えたりしながら、ああ、やっぱりこの大会は楽しいなあ。スタッフも沿道の人たちもみんなあったかい。最初の1キロは4分。そのあとは4分を切るくらいで、おいおい早すぎやしないか。でもそんなにスピードを出している感覚はない。どうしたんだろうなあ、調子いいのかなあ、などと思っていると、4キロ過ぎ、うわ、靴ひもが緩んできた。うわああ、これはまずい、どうしよう、早めに立ち止まって結び直したほうがいいのか。まずい、相当まずい。ただ靴ひもを絡めていたため、ほどけたわけじゃない。うーんうーん、このままいくか。どうしようと悩みながら走り続け、10キロ。40分。おいおい早すぎだろこれ。靴ひもが緩んであせったのか。とにかくこのままいくか。と思っていると、アームカバーに挟んでいた補給食が沿道に向かって落ちる。ぎゃー。しょうがない、いやちょうどいい、ひも結び直そう。立ち止まって結ぶと、沿道の方が補給食を届けてくれる。ありがたいなあ。急いでコースに戻る。
風が強いからと被っていたビニールをようやく脱いで走る。のもつかの間、15キロ手前でまたひもが緩んでくる。やっちまった、急ぎすぎたか。もうしょうがない。また立ち止まって、しっかり結んで、ひもを絡めて、その間に脱いだビニールが飛ばされたけど、スタッフの方が拾っていてくれて、お礼を言ってまたコースに戻る。15キロ地点での1キロラップは4分30秒。30秒のロスかあ、最初のロスと合わせて45〜50秒くらいかしら。ああちくしょう。トンネルを抜けて、大漁旗が見えてきて、折り返し。応援がすごい。いっぱい手を振って応える。楽しいなあ。そして海沿いを走る。本当に景色がきれい。楽しいなあ、きれいだなあ、気持ちいいなあ、と走っていって、20キロ地点で1時間22分。ハーフで1時間27分。おお、サブスリー余裕じゃないか。と思いながら進んでいく。
22キロ過ぎ、マリンタワーへの坂。ここがきついきついといわれる名物のひとつ。だけど見た感じそんなにきついとは思わない。ほかの大会で鍛えられてるからね、と腕をおろして、じっくり進む。坂を登りきる。登ったところでエイド。トマトを取り逃がして、イチゴをつかむ。おいしい。そこからいっきに下り。下りはむやみにスピードを出さずに我慢。淡々とくだる。下りの最後にトンネルがあり、そこからものすごい風が吹いてくる。おいおいつえーよ、と叫ぶと、隣りのランナーが応えてくれる。いやほんときついですね。そしてマリンパークへ。ゴール地点でもあるここが一番の声援。いっぱい手を振って応える。さくらんぼって声をかけてくれる。すると、先ほどから一緒に走っているランナーにも声援がすごい。たくさん声をかけられている。子どもたちが並走する。聞くと、近くの小学校の先生だそうだ。これはうらやましいなあ。すごい力になるだろうなあ。少し話しながら走っていく。このままならサブスリー大丈夫でしょう。大丈夫でしょうか。みたいなことを話す。そして30キロ、2時間7分。サブスリーは大丈夫そうだ。ここら辺から沿道の声援は減り、自分との戦いになる。少なくなるとはいえ、声援はとてもあったかい。本当に素晴らしい。
しかし、30キロ前後からラップは4分30秒を切れなくなってくる。きつくなってきた。どんどんペースが落ちている。前言撤回、正直このままだとサブスリーはきついかもしれん。ああーやっぱりこの1か月1回だけでも30キロ走するんだった。怠けすぎだよなあ。悔しい。そして、大きめの坂があり、のぼって、くだって、折り返して、またのぼる。そうしてなんとか足を前に出していると、ペースが上がってきた。お、足が戻ってきた、いけるかもしれん。などと思っていると、ウォッチの計測がおかしい、いやペースじゃなくて、キロ表示看板との400メートルくらいずれてきている。これはまずい、やっぱり間に合わないかも。いやまだ心肺は余裕がある、足も戻ってきた。スパートできるくらいだ。などと思っていると、残り3キロ表示あたり、ここからいっきに上げていこうと思ったところで、ふくらはぎがぴくっ、ぴくっといいだす。やばい、つりそうだ。まずい、これは本当につる手前だ。まだ足は残っているのに、スピードを上げられない。ああ、だめだ、ちくしょうちくしょう。おさまれ、おさまってくれ、でもまったくおさまらない。スパートできない。残りあとどれくらいだ、もうゴールが見えてもいいはずなのに、1キロが遠い。ゴールはまだか。耐えてくれ。そして、ピンク色のゲートが、ゴールが見えてきた。やっとゴールだ。ウォッチを見ると、ちょうど3時間を過ぎたところ。あー・・・。
ゴールではみんなが笑顔で迎えてくれている。かぶり物をしている身として、笑顔で、いっぱい手を振りながら走る。足はもういつつってもおかしくない。必死の笑顔で、ぎりぎりのところで、なんとかゴール。3時間1分。立ち止まって、つりそうなところを耐える。スタッフの方が車いすありますよって声をかけてくれるけど、いや大丈夫です。ようやくおさまった。フラガールがレイをかけてくれ、ドリンクとチョコをもらい、記録証発行。やはり3時間1分。ぎゃーと声を上げてしまった。靴ひもを直していた時間、は関係ないですね。
そして着替えて、ランナーに提供されているカジキメンチとサンマのつみれ汁を食べて、今年は帰りも高速バスを選んだので、いわき駅へ。バスを待つ間に営業している呑み屋に入り、ビールを飲む。ああーー、んまいい。先客に同じく走ったランナーがいて、少し感想を言い合う。このコース言われているほど坂はきついとは感じないんですけどね、みたいな、知った風なことを言って、聞いてみるとフル2回目で、2時間58分だったそうだ。ひひいい。おそれ多い。恥ずかしい恥ずかしいごめんなさいごめんなさい。
バスの時間が迫り、店を出て、駅に行き、バスに乗り、いわきとさようなら。今年も楽しかった。いわきサンシャインマラソンは、運営もスタッフも沿道の応援も、そしていわき市全体があったかい。本当に楽しい、素晴らしい大会だった。今年も参加してよかった。そして今年もサブスリーできなかった心残りは、来年返すしかないか。というか、お前本気でサブスリーする気あるんか。いつでもサブスリーできるような実力はないんだぞと言いたい。とことんとことん言い聞かせたい。




2017年1月14日土曜日

1月14日(土)ベジタブル森林公園マラソン

ベジタブル森林公園マラソン、42.195キロ

正月でぶからの脱却。
13日(金)、23時過ぎに帰宅。そうめん200グラムを茹でて食べて、明日の準備をして0時半ころ急いで就寝。途中4時過ぎに一度目が覚めて、5時に起床。また寝不足。ご飯2合炊いたけど、さすがに多すぎてスタートまで胃に残るかもと思い、1.5合くらいを食べる。6時に出発。電車に乗って森林公園へ。ベジタブル森林公園マラソンに3年連続の参加。毎年年初めに開催されるので、正月でぶの解消にはもってこいだ。毎年やせた記憶がないけれど。正月怠けまくった体にむちを打つためにもちょうどいい大会だ。アップダウンもあってけっこう鍛えられるし。
森林公園駅に7時半前に到着、バスに乗り換えて森林公園に到着。入園してまずいつものトイレへ。広場でウェアにゼッケンを付けて、過去2年ともグラサンを忘れていたけど今年はちゃんと持ってきたよ、着替えて、今年は諸々のテントの配置が変わってコンパクトになった、今年は荷物を預けてみようか、と思ったけどいっぱい並び始めて、間に合わなくなりそうなので今年もそこらへんに放置。もう一度トイレに行ってスタート地点へ。なんだかんだいってもうスタート5分前。しまったストレッチすらしてない、急いで軽くやってすぐスタート。
号砲と一緒にウォッチのボタンを押す。でぶになったし怠けてたし、軽くいこうと思っていたけれど、前が混雑しているのがもどかしくて横をダッシュで抜けていく。速いかしらとウォッチを確認すると、あれ?  動いていない。えっ、おいおいおいどうしたんだどうすんだ、おい壊れたのか。すごい焦る。色々ボタンを押してみると、計測が始まらないだけでほかは動く。なんだよこれ。タイムは計測できないけど、ペースは表示されているようだ。ペースと時刻でだいたい分かるからこれでいくしかないか。あきらめて走る。
あれ、去年おととしとコースが違う。なんだこれ、逆回りになったのかな。しばらく走っていくと、どうも記憶にない道のり。少しコースが変わったのかな。途中でやっぱりウォッチがないと不便だと思って再起動してみる。あ、ようやく計測できるようになった。ちくしょう。5キロから計測を始める。しかし、そんなにペースを落としているつもりはないのに、キロ4分50〜55秒くらいを刻んでいる。んー、おかしいな、過去この大会は距離が短く出ていたので、なんか少し違う値が出ているんだろうか。先月のはが路ふれあいマラソンが3時間6分だったから、3時間5分以内にまとめたいなあと思っていたけれど、キロ5分ってタイムはいくつになるんだろう、思い出せない。計算する頭が働かない。まあいいや、体の動くように走ろう。しかし、今年はいつにも増してアップダウンが激しい。なんだこれ毎年アップダウンがひどくてみんなひいひいいって走るのに、去年よりひどくないか。
途中で追いついてきたランナーが話しかけてくる。履いているVFFのことについて。いろいろ聞かれて答えながら走る。裸足では走らないんですかって聞かれて、いやあ少し走ったことあったけど、なんか違うかなって。裸足で走っている人たちの、なんていうか意識高いみたいな感じが苦手で、って答えると、いやいやそんな風に見えますよって返される。ええーっ、まじかよ。俺もそんな風に見られてるのか・・・。しばらく一緒に走って、徐々に離れていく。お互いがんばりましょう。
いやあそれにしても相変わらずアップダウンがひどい。ところどころ見覚えのある道を走るけど、やっぱり完全に別物のコースだ。過去のランネットのコメントに、アップダウンが多いというよりアップダウンばかり、っていうのがいくつかあったけど今回はそれに輪をかけてひどい。やがて15キロ過ぎ、おいおいってほどの下り坂、膝また痛めないかなあなどと思いながら走っていると、視界が開けたところに出た。なんと、芝生、というか原っぱを走る。なんだよこれって思わず笑ってしまった。すると前を走っていたランナーも笑ってすごいねえって話しながら走る。どうやらハーフマラソンらしく、フルはここまた走るんだよって言われて苦笑。だけど舗装路と違ってダメージが少ない。お、やっぱり土の上はいいかもしれない、と思って走り、舗装路に戻ると、やはり衝撃が足にくる。ほほう、芝生ってのはいいなあと思う。
原っぱを抜けてしばらく走ると、また追いついてきたランナーに話しかけられる。やはりVFFのこと、しばらく並走して、ハーフを通過。ああ、ジェルとろう、と思ってごそごそしているうちに少し遅れ始める。初めて買ってみたザバスのゼリー。どんなもんかと思ったけど、なかなか噛みごたえがあっておいしい。ちょっと離されて、ひとりで走っていく。前を走るランナーに追いつけないなあと思っていると、急に減速、立ち止まった。えっ、もしや故障か。と思ったら、立ちション・・・。幻滅。抜いて、またしばらく走っていく。ウォッチを5キロでスタートさせたけど、距離が合わない。ペースも5分を切るくらいのまま。そうするうちに、後ろから徐々に足音が近づき、やがて追いつかれる。抜かれて、またひとりで走っていく。そのうちにペースはキロ5分5秒くらいまで落ちている。
30キロ過ぎ、白いものが降ってきた、なんだ、おいおい雪かよ。今日は寒いもんなあ。2週目に入ったランナーとすれ違い、この坂と天気の中で走りきれるのかなあと思いながら走る。35キロ過ぎ、1週目でひどかった下り坂を降りる。これまでのアップダウンの繰り返しも響いてか、膝がやはり違和感を感じるようになってきて、さらに右足ふくらはぎがつりそうな感覚になる。いやあほんときついわ。そしてまた原っぱに突入。ああ、やっぱり芝生でちょっと楽になった。けれど芝生はすぐ終わり、また舗装路へ。衝撃がすごい。というか痛い。給水所を通るときにスタッフが、雪が強くなってきて大変だけどがんばってくださーい、って叫んでくれる。いやいやむしろあなたたちのほうが大変でしょって思いながら通り過ぎる。ありがたいなあ。
5キロからウォッチをスタートさせたけど、距離が合わない。だけど終盤はキロ表示とラップのアラームがほぼ合ってきて、どうしたんだこれ。残り距離と時計を見て、うーん、3時間5分はきついかもしれんなあ、って思って、あと残り2キロを切ったところで、12:00を知らせるチャイムが鳴る。あれっ、ウォッチだと11:58なんだけど。チャイムが早いのかなって思ったけど、そういえば公園の開園のお知らせも9:28で、時間ぴったしじゃないのかよってひとり突っ込んだことを思い出した。あちゃー、時計が遅れてたってことか、3時間5分は無理だわ。ずーっと続く上り坂を走り、なんとか最後までペースは落ち込まないように踏ん張ったままゴール。3時間9分。うーん、アップダウンがひどかったし、でぶだし、こんなものでしょうか。くやしいけどしょうがない。
完走証を受け取り、ドリンクを受け取り、広場に戻って荷物を持って着替えテントへ。着替えてるうちに体ががたがた震えてくる。やばいめっちゃ寒い、風邪ひきそう。必死で急いで着替えて、とりあえず参加賞のとん汁を食べて、おいしいなあ、森林公園西口出口近くの休憩所だか待合所に逃げ込む。表彰式を見て、急いでバスに乗って森林公園駅へ。駅に着くと、なんと人身事故で電車が動いていないそうな。まあ急いで帰りたい訳でもないからいいけど。出発を待って、やがて電車が動き出して、のんびり帰って、おしまい。

アップダウンが笑っちゃうほどひどくて、正月でぶと正月で走りもせずになまけきった体にはこの上ない刺激になった。面白いコースで、じっくり自分に向き合って走れるコース。楽しい。なまけ過ぎた年末年始、この自分に喝を入れる意味でも、いいコースだった。きつ過ぎて最高。今までで一番おもしろいベジタブル森林公園マラソンでした。


2017年1月4日水曜日

12月18日(日)はが路ふれあいマラソン

はが路ふれあいマラソン、42.195キロ
10月末の東京トライアルハーフで左ひざを痛めて、11月はエントリー済みの世田谷246ハーフ、つくば以外ほとんど走らず。膝の痛みはまだ続いているけれど、さすがにまずいと2週間前からようやくジョギングを再開する。まるで学生のテスト前の一夜漬けのように、間に合わせるために走る。それでも30キロ以上は走れず。再開したら膝の痛みはそれほどでもなくなってきた。そして迎えたはが路ふれあいマラソン。去年に続いて、今年も仮装して走るのだ。今回はどうしようと悩んで、現地はイチゴが名産だからとイチゴの着ぐるみとかぶり物にした。
当日、朝3時45分起床。シャワーを浴びてから、うどん1玉を食べる。パン1斤をトーストして、行きの電車の中で食べよう。5時発の電車に乗って、宇都宮に向かう。アイマスクをして休み、途中でトマトジュースを飲みながらパンを食べる。ん、このトマトジュースんまい。2月のいわきサンシャインマラソンでもらったトマトジュース、賞味期限がちょうど今日、すごいおいしい。休みながら、忘れ物がないか頭の中でチェックする。着ぐるみ持った、VFF持った、スーツ持った、ネクタイ持った、ん、あれ・・・ああああナンバーカード、しまった、ナンバーカード忘れた!
7時前に宇都宮に到着、シャトルバスに乗り換え。改札を出るとシャトルバスへの案内を持ったスタッフさんが立っている。寒いのに本当にありがたい。おはようございますとあいさつして乗り換える。シャトルバスに乗って引き続きアイマスクをして、30分くらいで会場に到着。ナンバーカード再発行しなきゃ。探して、再発行してもらう。ふうう、荷物が多いからうっかりしてしまった。着替えのロッカーに向かって、いつも通りロッカー代100円をもらう。100円くらい各自負担でいいだろうに、この手厚いサービス。着替えて、着ぐるみを持って、スタート地点に行くけど、まだ早いようでランナーがいない。公園の事務所に入り、しばらく座って休む。9時20分ごろ、イチゴの仮装、イチゴのかぶり物をしてスタート地点に向かう。去年と10月の東京トライアルハーフで会ったランナー(Iさん)を探してみるけど見つからない。そのまま最後尾へ。後ろに並んでスタートを待つ。やがてスタート。
スタートしてからスタート地点を通過するまで2分10秒ちょっと。そこからスピードを上げる。ランナーがいっぱいで、歩道を走って抜いていく。最後尾をのんびりスタートなのに、横を一気に抜いていく、これなら前のほうからスタートでも変わらんのではないだろうか、などと思う。今後また考えてみよう。3時間半のペーサーを抜く。大体ペースは4分25秒前後か。まあのんびりいける。走っていると、沿道からイチゴがんばれーって声をいっぱいかけてもらう。途中、交通規制で待っている車からもイチゴーって声をかけられて、大きく手を振って応える。ああ、今年も仮装してよかった。12キロくらいだったか、貝のお守りを今年も配っていて、無事に受け取る。このお守りは遠征用のバッグにつけている。今年も受け取れてうれしい。15キロ過ぎ、ここら辺から登り坂が続く。でも足は動く。ずっと登りが続いて、やがて18キロ過ぎ、峠に突入。10%の登り坂。おっしゃ。そして12%の下り坂、がまんがまん。2年前は凍っていて滑りそうになったけれど、今年は晴れが続いていたからか、危険はなく走れる。坂を下りて、ハーフ手前の大エイドへ。ここはイチゴエイドがあるから、イチゴ仮装としては絶対に取らなきゃいかん、と思いながら走って、手袋を脱いで、イチゴに手を伸ばす。ああああ取り逃がしたああああああああ。エイドを抜けて、つい「イチゴなのにイチゴ取り逃がしたあ」って口に出したら、前を走っていた女性ランナーに「イチゴどうぞ」って1個手渡される。1個取ろうとしたら2個取れちゃった、とのこと。まじか、めっちゃうれしいんですけど。ありがたくいただいて、おいしい。めっちゃおいしいですって返事して、ハーフ過ぎの登り坂へ突入。
去年おととしはこの坂がきつかったけど、今年は淡々と走っていく。25キロ過ぎだったか、ふと横、田園地帯を見て、視線を前に戻したら、前を走っていた女性ランナーが転んでいた。わわわわ、こんなの初めて。立ち止まって大丈夫ですかって声をかける。大丈夫ですって言われて、不機嫌そう、すぐに走り直す。びっくりしたあ。28キロ過ぎ、あれ、あの人は、と前を走っていたランナー、スタート前に声かけられなかったIさんぽい。多分そうっぽいなあ、でもちょっと違うかもなあ、と思いながら、横に並び、抜いていく。30キロ、ここはハイタッチゾーンで沿道の小学生中学生といっぱいハイタッチできる、はずなんだけど・・・いない。あれえ、勘違いかなあ。30キロを過ぎ、前を走っていたニンジンの仮装をしたランナーを見つけ、気持ちスピードを上げて、追い抜く。追い抜く際に少しあいさつをする。そのあと、今度はサンタの仮装をしたランナーを追い抜く。あー仮装1位だったのにー、と声をかけられ、よし俺1位か。
後半は私設エイドも充実しすぎている。イチゴは必ず取るようにして、ほかもいっぱいあるけどスピードで取れず。途中のエイドでおじさんがわざわざ少し並走してくれて、水餃子食べて! って言われて、ああ、名物水餃子だ、って思ったけど、必死で走っていて思わずごめんなさいって言ってしまった。仮装とかしておきながら、エイドをちゃんととるほど割り切れてもいない、中途半端な奴、と反省。
35キロ過ぎも相変わらず足は動いている。ペースは少し落ちてきただろうか。そばのエイドもスルーして、40キロの坂へ。最後の名物の坂、ここは耐えられるだろうか。意を決して登っていったけど、あれ、今年はそれほどじゃない。鍛えられたのだろうか。淡々と確実に登っていって、特にダメージもなさそう。さあラストだ。ペースを上げてラストスパート。ゴール会場が見えてきた。そしてゴールへ。前に2人、抜けるかもしれないと思った瞬間にダッシュ。あとからラストでダッシュするなよって反省したけど、どうしても体が動いてしまう。3時間8分。まあこんなもんだろう。少しゴールを眺めていると、やはりIさんだった、Iさんがゴールする。聞くと僕だと気づいて、うしろを付いてきてくれていたそうだ。そのおかげかどうか自己ベストだったらしい。このコースで自己ベストはかなりの自信になるだろうなあ。役に立てたなら何よりだ。あいさつして、少しお互いの感想、今後のレースのことを話して、それじゃこのあと急ぎますんで、と別れる。さてこのあとは横浜に移動して、後輩の結婚式に出席しなきゃいかんのだ。
走った後もゆっくりと楽しみたかったけれど、ダッシュでロッカーに向かい、簡単に着替えて、大急ぎでバスに向かう。バス乗り場に到着すると、直前にバスが出発したばかり。次は20分後と言われ、しまったもっと速く走って急いで着替えるべきだった。しょうがないのでいったんバスから離れ、とん汁を食べに移動。とん汁をいただくことにする。もらうとすごい具だくさんで思わず笑ってしまった。食べて、もう1杯いかがって言われて、食べたいんだけど時間がないから泣く泣くお断りしてバス乗り場に戻り、発車。帰りはスタッフみんなが手を振ってくれて、こちらも手を振り返す。ああ、本当にあったかいなあ。

はが路ふれあいマラソンの素晴らしいところは、応援の、沿道の人々が決して多いわけではないけれど、ずっと途切れずに人がいて、みんなあったかく、笑顔で応援してくれるところだ。毎年すみません、毎年ありがとう。来年もきっと来ます。来年はゆっくりと楽しみたいと思います。何度繰り返しても言い足りないけれど、本当にありがとうございます。

宇都宮駅に着いてからも走り、新幹線に乗って、横浜へ。結婚式になんとか間に合う。マラソン走っているときよりもこの移動のほうが疲れたかもしれん。お祝いと、昔話に花が咲く。マラソンからの移動が良いネタになった。激動の1日だった。