2018年11月24日土曜日

11月23日(金)福知山マラソン

福知山マラソン、42.195キロ。

大阪に引っ越して来てから半年、薄々感じてはいたけれど、ふと走った距離を振り返ってみてあ然とする。去年よりびっくりするくらい走っていない。毎月50キロくらいずつ少ない。でもしょうがないなあ、思い返してみても明らかに走ってないもんなあ。こりゃ厳しいなあ、と思いながら福知山マラソンに挑む。前日はいつも通りパスタを山盛りで食べて眠剤飲んで寝る。
3時半くらいに目が覚めて、4時起床。シャワーを浴びて、食パンを1枚食べて始発で出発。臨時列車に乗って大阪から福知山へ。はじめは寝て、7時ごろから起きて食パン4枚とおにぎり1個を食べる。列車内でトイレに行って、8時に福知山に到着。そこからシャトルバスに乗車。また寝る。8時半過ぎに会場に到着。ゼッケンを受け取り、体育館でゼッケンをつけて、トイレへ。それほど並ばずに済ませる。それから体育館に戻って着替え、もう一度トイレへ。今度はすごい行列。10時前にスタート地点に到着。日差しが出てきた。服装は手袋にネックウォーマー、それとビニールをかぶる。アームウォーマーはなしにした。あっまた日焼け止め塗るの忘れた。日の当たる場所にじっとして、いよいよ10時半、スタート。
いきなり下り坂。っていうか、ちょっとすごい下りだ、足をもっていかれそうになるくらい、シューズの中で足がずれるくらい急だ。これゴールで上りになるのか。最初の1キロは4分。2キロ目は3分56秒。下りとはいえ速すぎ。潰れるぞと思いながら、ベースを下げられない。どうせ潰れるんだからいけるところまで行ってみるか。その後も4分1桁で進んでいく。3キロくらいで暑くてビニール袋を脱ぐ。日が差したり曇ったりを繰り返す。コースも細かいアップダウンを繰り返す。10キロのタイムが41分。速いなあ、どこまでいけるかな、30キロくらいまでこのペースでいければなあ、と10キロ過ぎでネックウォーマーを脱ぐ。やがて雨が降ってくる。今度は腕が寒い。サングラスが濡れる。寒いほうがコンディションはいいんだと思い、でも何人もランナーが抜いていく。キロごとにペースを確かめるけどそんなに落ちていないんだけどなあ。ハーフのタイムが1時間27分。サブスリーはできそうだ。でも2時間55分切りは難しいなあ。ペースが4分10秒くらいに落ちてきたか。先は長い。先頭とすれ違い、どこで折り返すんだかマップ見とくの忘れたと思ってたら25キロ手前で折り返し。ここから今来たとこ戻るのか。たくさんのランナーとすれ違う。
26–27キロのペースが4分20秒を示す。うわあ、もう落ちてきたか。もうちょっと耐えたかったなあ、でも走り込んでないもんなあ、さぼった分は全部結果に出るんだなあ。28キロ過ぎだったか、ランナーが倒れていて、何人かで救護している。すぐに救急車もすれ違う。怖い。俺も倒れないとは限らないんだ。30キロでタイム2時間5分。サブスリーはできる。ただ何分でゴールできるんだろう、ここからどれくらい維持できるか見当がつかない。そう思っていたら、31–32キロでペース4分25秒。げっ、まずい。なんとか持ち直そうとしながら必死で進む。35キロ、タイム2時間27分。4かける7で28分で、5かける7だと35分だから、ええと、分かんね。もう考えられなくなってきた。
あと5キロ、4キロ、3キロ。40キロ地点で2時間49分。2時間57分でゴールしたいけど厳しいか。そして最後の上り坂。ずうっと登っていく。きつい。沿道からサブスリーできるよって声がかかる。いやいやサブスリーは余裕でしょ、と心の中で返しながら、ゴールの青いアーチが見える。あとはもう全力。前にいるランナーを抜いて、抜かれて、短距離走ばりにダッシュして、ゴール。2時間58分。余裕どころかぎりぎりじゃないか。
ゴールを駆け抜けて、前で握手しているランナーに止まれず突っ込み、ごめんなさいと言いながらそのままみんなで抱き合い、最後のダッシュで競ったランナーとも握手して、ボランティアとハイタッチして、おしるこ・豚汁をいただき、ゆっくりと着替えて、おしまい。最後の坂おもしろかったなあ。ボランティアも、沿道の応援も、みんな暖かった。

コースも面白く、天気も気温が低いくらいで走りやすく、給水もふんだんにあり、声援も熱い大会。これで記録を、目標の結果を出せないのはこれまでの自分を振り返ったほうがいい、それくらいコンディションのいい大会。普段ちんたら走ってるだけなんだなあと再認識させられる大会でした。

2018年11月18日日曜日

11月4日(日)淀川市民マラソン

淀川市民マラソン、42.195キロ。

1日(木)大阪に来て半年、学生時代の友人たちと10何年ぶりかで会い、しこたま飲む。2日(金)、朝目が覚めて、異常に寒気がする。これは風邪をひいた。しかもただの風邪ではなく、かなり体調が悪い、思ったよりもひどい。午後早めに帰ってとにかく寝る、寝る、寝る。3日(土)朝、起きたけど、体調はひどいまま。とりあえず淀川市民マラソンのゼッケンの前日受け取りで会場に行かなきゃいけない。出られるかどうかは別にして、とにかく行かなきゃ。ひどい体調のまま会場に行って、ああ、前にジョギングでここ走ったなあ、などと思う余裕もなく、ゼッケンを受け取り、すぐに帰って、いつもの通りにパスタを茹でて食べて、また寝る。
4日(日)6時起床。体調はひどい。トイレに行くが、お腹を下したまま。ああ、これは欠場した方がいいんだろうなあ、と思いながら、走ってみて本当にだめだったらリタイヤしよう、と思いながら会場へと向かう。そう、フルは最初の10キロを上流へと上り、そして戻って、ハーフからは普段のジョギングでよく走っているコースを走るのだ。もし危険だったらハーフでリタイヤしよう。そう思いながら淀川河川敷の会場へ。まずトイレに並び、着替えて、またトイレに行って、スタート地点へ。気温がよく分からないけれど体は寒い。ビニールをかぶって待つ。やがてスタート。
スタートして日差しが強いことに気づく。しまった日焼け止め忘れた。朝から寒気がしていたけれど、すぐに暑くなる。汗がいつもよりも吹き出てくる。これは暑さじゃなく体調のせいか、すごい汗だ。やっぱり負担かかってるんだなあ。はじめの何キロかはキロ4分10秒切るくらいで進む。ああ、絶対に潰れるんだろうなあ、などと思いながら、潰れるんだったらできるだけいつもペースで走ろうと思ってしまう。コースは芝生を走ったりしながら、給水はできるだけコップを2杯取るようにして、10キロ過ぎに折り返し地点。すぐ後ろで「折り返しなので気をつけてくださーい」という声が聞こえる。げっ、これ3時間ペーサーか。やばいやばい追いつかれる、と焦りながら折り返して、そのまま逃げ切ろうとペースを持ち直すように心がける。折り返しでたくさんのランナーとすれ違う。たくさんいるなあ、でもちゃんと見ている余裕がない。
やがてハーフ、スタート地点に戻ってくる。ああだめだ、ちょっとこれから持ち直せる気がしない。体調はどんどん悪くなるんだろうな、このあと倒れたら周りみんなに迷惑をかけるんだろうな、などと思いながら、ペースは落ちていく。とりあえずハーフは走ったし、明日以降のこともあるし、リタイヤしたほうがいいんだろうな。そして3時間ペーサーに追いつかれる。ああ、ここまで起きてきたか、ついていけるんだろうか、ここからどんどん落ちていくんだろうか、屈辱を感じながら、どんどん離されていく。やっぱりここでリタイヤしようか。でもここからのコースは普段のジョグでよく走っている、よく知っているコースだ。10キロいつもの河川敷を走って戻ってくるだけじゃん、しかもコース途中の橋(淀川大堰っていうそうだ)は、普段閉鎖されているから今日しか走れないんだよなあ、などと思ったら、そのまま走ることを選んでしまった。というより、走ることをやめる勇気が出せなかった。
25キロ、毛馬こうもん。こうもんまで来た、こうもんが近い、などと軽口をたたく余裕もなく、淀川大堰を渡る。ここがいつも渡れなかった橋か。でもきつくてきつくて感慨にひたることもできない。ランナーを撮っているカメラマンが目に入ったけれど、ポーズを取る余裕もない。橋を降り、よく走っているコースへ。よく見た風景が広がっている。河川敷なのでそうそう変わるものじゃないけれど、少しばかりの安心感がある。と、途中で曲がって砂利道を走る。なんだこのコース。ふと見ると、ああ、バーベキュー会場か。そのせいで砂利道を走ることになってるのか。足裏がものすごく痛い。ひいひい言いながらしばらく走り、舗装路に戻る。そして30キロで折り返し。このまま帰れたらうちに近いのになあ、帰ったら倒れるように寝るのになあ。
気づいたらペースが異常に落ちている。ウォッチを見るとキロ6分近くを示している。えっ6分、とびっくりする。まずい。でもペースは上げられない。あと10キロ耐えるしかない。前半とペースが違い過ぎて、今どれくらいのタイムなのか、どれくらいでゴールできるのか、見当がつかない。そういえばさっき3時間半ペーサーとすれ違った気がする。3時間半までにはゴールできるんだろうか。そしてまた砂利道を走る。痛い痛い、ものすごく痛い。柴又100Kの最後の砂利道よりきつく感じる。いらいらして思わず、これいつまで続くんだよ、と叫んでしまう。叫んだところで状況は変わらない。足が動かない。きつい。つらい。
35キロ、ようやく淀川大堰に戻ってくる。よし、あとはゴールするだけだ。こうもんに戻ってきた、こうもんに近づいている、こうもんが近い。必死になって、ゴールはまだか、まだか、けっこう遠い、こんなに遠かったっけ。ようやく会場が近くなってきた。ゴールだ、走りきれた。ゴール目の前にQちゃんがいてハイタッチしてくれた。声を上げて応えることもできなかった。それでもなんとかゴールまで来れた。ゴール。3時間17分。
ゴールした途端寒気がすごくて、がたがた震えながら荷物を取りに行って、急いで着替え、しようとしたけれど、寒くて体が動かなくて、なんとか着込んで、とにかく寝なきゃ。帰宅して、食べて、寝る。すべて自業自得。

なんでこんな体調悪いのに走ったんだろう。やっぱりばかなんだろうか、ばかなんだろうな。スタッフの方々や沿道で応援してくれたみなさんごめんなさい。余韻にひたることもできなかったけれど、それでも振り返ってみると、楽しかったです。




2018年3月18日日曜日

3月18日(日)板橋Cityマラソン

板橋Cityマラソン、42.195キロ。

先月のいわきサンシャインマラソンから1か月。相変わらず左すねの痛みは取れないまま、ろくに走っていない。もう今シーズンはのんびりランしかないかな、などと思いながら過ごしていた。この1か月で週末だけ、合計100キロほどしか走っていない。さらには最長で16キロしか走っていないのだ。気づいたらもう板橋Cityマラソンが迫っている。前日にデパートの体組成計で測定してもらうと、自己ベストのつくばマラソンのときから、骨格筋量こそ微増してるものの、体重は1.6キロ、体脂肪量は1.2キロも増えているじゃないか。もうだめだ。サブスリーできたらいいなあなんて思っていたけれど、もう完走が目標だ。
すべてを受け入れよう

前日夜にいつも通りスパゲティを山盛り食べて、眠剤を飲んで22時前に就寝、しようとするも寝つけず、0時近くまで目が覚めたまま。眠剤を追加して眠り、3時半くらいにまた目が覚めて、さらに眠剤を追加。相変わらず眠れない。5時半前に起床。シャワーを浴びて、スタート3時間前になる6時前に朝ごはん1.5合を食べる。今回は近場だから、いったん横になり、7時のアラームで起きて、出発。浮間舟渡駅へ。
駅に着き会場へ向かう。駅や公園のトイレにはすでに長蛇の列。この時間ならスタート地点の仮設トイレは空いているのにな、と横目に会場に到着。やっぱり空いているトイレに入る。そして着替える。今回持ってきたシューズは最近買ったばかりのビブラムV-run。これでまだ13キロしか走ってないけど、まあ別にクッションがあるシューズでもないし、大丈夫っしょ。荷物を預けてスタートへ向かうが、まだちょっと時間があるな、もう一度トイレに寄っておこうか、と並んだら今度はものすごい行列。結局スタート地点Bブロックに並んだのが、10分ほど前。間もなくスタート。
スタート地点までのロスが15秒ほど。板橋Cityマラソンはコースが狭いから最初は渋滞するのは承知の上。さらに走り込んでいないから、先月みたいに後半つぶれないように流れにまかせて行くことにする。最初の1キロのラップは4分20秒。うん、これくらいでいい感じだ、と思ったものの、あれ、スタートのロスが15秒あったから、てことは、速すぎないか。しかし足が止まらない。ああ、今回もつぶれるのか、じゃあいいや、いけるところまでいこう。どうせ走り込んでいないんだから次につながるランにしよう、と切り替える。初めのほうの給水も、混雑にまかせてスピードを抑えて、無理せずにコップを取り、進んでいく。
それでもしばらくキロ4分ひと桁を刻んでいけている。ふと、なんとなく見覚えがあるような景色が見えて、ここは豊島五丁目ではなかろうか、周りをきょろきょろしながら走る。この橋はなんだっけ、あれ出てこない。と橋をくぐるときに横に設置された看板に、江北橋。あーそうだ江北橋だ。毎週のように西新井の富士丸へと向かっている河川敷でげふー。10キロ地点で41分。おいおい速すぎるだろ、これは間違いなくつぶれるわ。それでも動けるところまで動こうと順調に進んでいく。15キロ地点で最初のジェルを摂取。まだペースは落ちていない。ハーフ地点で1時間27分。ああ、これならサブスリーいけそうだ。ただ先月は一気につぶれたから、気は抜かないようにしないといけない。気でどうにかできるもんじゃないけど。
折り返して、来た道を戻っていく。向かってくるランナーとすれ違う。なんとなくランナーを見ながら走っていて、ふと気がつくとキロ4分10秒台。ああ落ちてきた、集中しなきゃ。25キロでついに4分17秒。ここから貯金を食いつぶすこととの戦いが始まるのか。2つ目のジェルを摂取。なんとかこらえてくれ。そして30キロ手前あたりから、着地ごとにシューズと足の裏が擦れる感覚が出てきた。これはまずい、やっぱり足になじんでいなかったか。皮がむけそうな予感がする。やっぱりちゃんと履き慣れていないとだめなんだな。足の裏もなんとかこらえてくれよう。
30キロ地点で2時間5分。おお、これならサブスリーは確実だ。と思ったものの、先月は30キロすぎからキロ5分台に突入していたことを思い出す。いかんいかん、まだまだ気を抜けないぎりぎりを走っていることを自覚しなきゃ。この1か月、30キロどころか20キロ以上すら走っていなかったんだから、どこかで、いやもうすぐ完全に足が止まるかもしれない。カフェイン錠を摂取する。このカフェインの効果が切れたら、そもそも効果があるかどうかだけれど、足も終わる気がして、次からはお守りの意味も込めてカフェインを2錠持って走ることにしよう。32キロ過ぎで最後のジェルを摂取。往路で記憶していた扇大橋、江北橋をまたくぐり、35キロ地点で2時間26分。てことはええと、残りキロ5分くらいまで落ちちゃってもサブスリーいけるか、よし。数少ない坂を登り、37キロ地点のペースが4分29秒。これは坂だからしょうがないって声に出して、残りの5キロ、全力を出し切ろう。ペースは落ちていない。いけるかもしれない。40キロをすぎてから意識してペースを上げて、ゴールが見えてきた。いける。ダッシュ。ゴール。2時間57分。
ゴールして笑ってしまった。こんだけ走ってなくても楽にサブスリーできたな、とえらく気持ちが高ぶってしまう。驕るともいう。まだまだ足動くよ、ダメージないじゃん、とすたすた歩き、配布しているシャーベットやオレンジジュース、ホットレモンをもらい、預けた荷物受け取りのテントへ。自分の荷物を取り出そうとすると、奥にいるランナーが足がつりそうになっている。急いで駆け寄り、ぼくが荷物取りますよって取り出してあげると、いきなり自分がつりそうになる。ぎゃあ調子乗り過ぎた。なんとかこらえて、着替えのテントに入る。足の裏を見てみると、やっぱりいくつか水ぶくれができていた。シューズ選択は大事だねえ。

大満足のレースだった。これだけ走れるとは思わなかった。気温もそれほど上がらず、例年吹きつけてきていた風もなく、非常によいコンディションだったこともあるけれど、年明けてからほとんど走り込めていないにもかかわらず、最後まで走り抜くことができた。なぜなんだろう。人間の体って不思議だなあ。もっと上がある気がする。上を目指すかどうかは別として。とりあえずとにかく左すねの痛みを早く完全に解消したい。来月の今シーズンラストのかすみがうらマラソン、そして来シーズンはそれからだ。



2018年2月18日日曜日

2月11日(日)いわきサンシャインマラソン

いわきサンシャインマラソン、42.195キロ。

続き。
朝5時起床。シャワーを浴びて、6時前に朝食へ。ご飯2杯。ホテルをチェックアウト。外に出ると、雨はすっかり上がって晴れている、よかった、でも風が強い。シャトルバスでスタート会場へ向かう。着いてまずトイレ、そこから準備。ゼッケンはスーツのボタンを留めて付けるんだろうか、それともシャツに付けようか。上着だとボタンを留めるときついしいざというときに脱げないし、シャツに付けると上着でナンバーが隠れてしまうかもしれん。ああでもカメラマンがいるところで上着をめくればいいのか、とシャツに付ける。そしてスタート地点へ。そこでスーツに着替える。スタート前のセレモニーでフラダンスの披露。見ていると、スタートしてもいないのに涙が出そうになってしまう。ああ、この大会今年も参加できてよかった。そして整列。市長はじめあいさつを聞いて、時間になり、いよいよスタート。
スタート地点までのロスは8秒。お、スーツ意外と動きやすいぞ。そこからランナーがいっぱいいるなかを、どうしてもスピードを出して抜いていってしまう。きちんと走るのは1か月ぶりだから、足が動くままにまかせようと自然に走ることにするけれど、ペースが速いことを抑えられない。最初の1、2キロは4分20秒くらい。それでもやっぱり速い。そのうえ今年ようやく晴天で太陽が眩しい。サングラスをしていなかったらさらに眩しかっただろう。そして走っていなかったせいかやっぱりもう息が乱れてきた。あーやっぱきついわ、と独りごちると、隣のランナーにそりゃスーツなんだからきついでしょ、って声をかけられる。いや、スーツじゃなく練習不足なんですよ、などと話しながらしばらく並走。4、5キロはペース4分一桁台を記録している。サブスリーだとしたら速すぎますねって言われて、抑えていこうと思ってるんですけどどうしても足が動いちゃうんですって話しながらペースを落とせず走り続ける。なんでのんびりいこうって思ってたのにこんなにペースが速いのか。また他のランナーにもスーツでちゃんと腕が振れますかって声をかけられる。いや意外と大丈夫です。日射しがけっこう強くてもう暑い。ああ上着にゼッケン付けなくてよかった、しかも走ってるから上着がめくれて、ゼッケンがちょうど見えるようになっている。コース初めのほうのアップダウンもこなしながら、左すねの痛みは出ない、このままいけそうだ。
10キロ地点で42分。おいおいこれサブスリーペースじゃねえか。もしかしてサブスリーいけるのか、いやさすがに無理だろう、と思いながら進み、やがて海が見えてくる。毎年海が見えてくると、言葉にできない感慨が湧き上がってくる。いい眺めだなあという思いとともに、ここがすべて海に流されたんだという思い。スタートしてからずっと沿道の声援はあたたかく、熱がこもっている。スーツとかサラリーマンとか背広とか色々声をかけられ、できるだけ声をかけてくれたみんなに声を出して、手をあげて応えながら走る。近くの家の2階ベランダから見ている人たちにも思い切り手を振って、ああ、本当にこの大会の声援はあったかいなあ、うれしいなあと感じながら進んでいく。15キロを過ぎて、大漁旗が並んでいて、ダンスとか吹奏楽とかも応援してくれて、応えながら走っていき、ふと気づくといきなり折り返し。えっ去年まではもうちょっと走ったはずだけど、あわてて折り返して、コースが変わったのかな、引き返していく。ランナーとすれ違い、今年もいろんな仮装ランナーがいるなあ。次第に風が強くなってくる。海が近いからかそれとも天候か、風きついのは勘弁なんだけど。そして20キロ地点で1時間27分。ああ、このタイムがハーフ地点だったらなあ。徐々にペースが落ちているのが自分でも分かる。このまま落ちていくだけかなあ、どこまで耐えられるんだろうか。ハーフ地点で1時間32分。このままいけて3時間10分くらいでいけるだろうか。
そしてハーフすぎ、きついといわれる三崎公園に向けての名物の200メートルの坂。淡々と登っていくけれど、今年はいつにも増してきつい。なんとか坂を登りきり、エイドでイチゴを1個もらい、するとスーツ姿のランナーが2人立ち止まって話してる。気づかれなかったかもしれないけど、声かけて抜いていき、そこから一気に下りへ。去年はここがものすごい風が強かった、今年は風がない。ああ、とてもいい気候だ。スーツが暑いけれど。下りを終えて、小名浜港地区。ここは折り返してゴール地点、2キロ、5キロ、10キロ部門のゴール地点でもあり、一番声援が多い。よっしゃと意気込んで走っていくけれど、沿道の人たちがみんなにんじんにんじん言ってる。どうやら後ろにニンジンの仮装ランナーがいるようだ。声援がすべてそっちに持っていかれている。自分自身も仮装でほかのランナーにとっては応援を持っていかれる存在なんだろうが、なにもここでほかの仮装ランナーとだぶることはないじゃないかあ。
小名浜港を抜けて、28キロくらいからますますペースが落ちているのが分かる。どこまでいけるかなあ(ちなみに30キロ地点でのタイムは見逃していて、後から記録を見たら2時間14分だった)。30キロすぎにもうひとつ、ゆるやかだけど長い坂がある。ここで小学生のチアリーダーちゃんたちが応援してくれている。この子たちは昨日のウェルカムパーティーで演技してくれていた子たちだ、ポケットからそのときにもらったお守りを出して、お守りありがとうって声をかける。ありがとーって返してくれる。すごくうれしい。そして坂を登り、ウォッチが32キロを告げるラップが鳴り、見るとついにキロ5分を超えている。半分びっくり半分笑ってしまう。キロ5分て久しぶりだな。そこからはゆるい下り坂で、なんとか4分台に戻す。そしてまた折り返し。今度は来た坂を登らなきゃならない。沿道の応援がすごく熱がこもっていて、声を上げて応えていくけれど、やはりキロ5分を超えてしまう。ああ、1か月走らないとここまで走力は落ちるんだなあ、さぼるとこうなるんだなあ、と呟きながら走っていく。そしてチアリーダーちゃんたちがいた坂を下り、いよいよゴールへ。あと何キロだ、早くゴールしたい。あ、そういえば去年ここらへんから足がつりそうになって走ったことを思い出す。いやいや今年はいやだ。もうタイムとかはどうでもいい。このまま無事にゴールさせてくれ。もうずっとキロ5分を切れないでいる。それでもあとちょっと、あとちょっと終わる、いや終わってしまう。
40キロ地点で3時間4分。ん、あれ、ひょっとして3時間10分どころか15分もあやしいんじゃないのか。あーもうゴールできればいいや。やがて沿道にまた人が多くいる。ついにゴールだ。周りに手を振りながら、ゴールゲートが見えてきた。ゴール地点、右に左に手を振って、ゴールに向かって手でアロハのポーズをしながらゴール。3時間15分。あーーもう、タイムはどうでもいい、スタートからいや前日から最後まで、本当に本当に楽しかったレースが終わった。終わってしまった。
レイを首からかけてもらい、水を何杯も飲んで、スタッフみんなにありがとうありがとう言いまくって、ゆっくりと着替える。そのあといわき駅までのバスの時間を聞くと、約40分ほどかかるらしい。15時いわき駅発のバスを予約しているので時間があまりない。去年おととしはフィニッシュ会場で出店を見て回ったりステージを見物したりしたけど、今年は時間があまりない。どうしてだ、俺が遅かったからか、いやいや。急いでカジキメンチ、さんまのつみれ汁をもらい食べて、バスに乗っていわき駅へ。もうちょっとゆっくりしたかったかな。そして帰路へ。今年のいわきサンシャインマラソンはおしまい。お疲れさまでした。

怪我して1か月まったく走れなかったけれど、今年も楽しく、地元の声援を全身で受けながら走れた。結果的に怪我したからスーツで走ることを決めて、おかげでいつも以上に声援を受けることができたんじゃないだろうか。やっぱり素晴らしい大会だった。12月のはが路ふれあいマラソンと並んで、毎年絶対に参加したい大会だ(どうせ東京マラソンは当たらんし。ちっ)。今年も満足、大満足です。来年も楽しく走れたらいいな。ありがとういわきサンシャインマラソン。




2018年2月11日日曜日

2月10日(土)いわきサンシャインマラソン前日

故障で1か月走らないとここまで走力が落ちるのか。

左すねの故障がきちんと治らないまま先月30キロのベジタブルマラソンを走ったら、完全に怪我したようで、歩くだけでもけっこうな痛みが出るようになってしまった。とてもじゃないが走れる状態じゃない。まさか疲労骨折したんじゃないかというくらい痛い。ジョギングをやめて、治るのを待つしかない。それでも痛みは引かず、1週間前にさすがにまずいと思ったけれど、歩いてもまだ少し痛みは残っているし、ここまできたら走っても走らなくても一緒だと走らず。それでもさすがに7日(水)に走ってみる。痛いというわけではなく、なんとなく気になる感じ、いわゆる違和感(あまり好きな言葉ではないのだが)がある程度。だけど走れることが分かったので、万全を期すために7.5キロで終わり。この1か月の走行距離7.5キロ。笑っちゃうな。
もうのんびりファンランするしかないなあ、だったらいっそのこと仮装しようか、いわきは毎年さくらんぼのかぶり物被って走ってるけど、もっと本格的な。でもさすがに準備する時間がなさすぎる。しょうがない、あきらめるしかないか。そんなことを思っていたら、金曜の朝方突然、スーツ着て走ればいいじゃんと思いついて目が覚める。大会でたまに見かけるスーツランナー、俺もしてみよう。なんかわくわくしてきたぞ。夜、シャツはどうしようネクタイはどうしようなどと準備をしていて、夜更かしして就寝。
10日(土)、やっぱり途中で起きてしまって、いつもどおり寝不足のまま10時東京駅発の高速バスでいわきへ向かう。13時いわき駅着。すっごい晴れてる。いやいや今日雨降って明日晴れろよ。なんで毎年天気がよくないんだ、サンシャインマラソンなのに。途中でタオルを忘れてきたことに気がつき、買い物などをして15時前にホテルにチェックイン。毎年参加しているウェルカムパーティーは17時からだっけと確認してみるとなんと16時。休む間もなくあわてて会場へ。ゲストランナーのラグビー大野はでかいなあ、柏原はやっぱり人気あるなあ、などと楽しみながら、カーボローディングと食べまくって、18時すぎにパーティーが終わり、ホテルに戻る。明日の準備や確認をして、オリンピックが始まっている、ああ、4年前も見たなあ、あのときは大雪で中止になったんだよ、あれからもう4年かあ、早いなあ、見ていて気づいたら21時半。やばいやばいもう寝なきゃ。急いで眠剤を飲んで就寝。
2時前に一旦目が覚める。やっぱり起きちゃうかあ。もう一度眠剤を飲んで、ふと外を見てみると、地面が濡れている。雨降ったんだ、でももう上がってるぽい。このまま晴れるようだ、よかった。そしてまた眠り、4時すぎにまた目が覚めだけど、うとうとしながら5時に起床。さあ本番だ、1か月走ってないけど思いっきり楽しむぞ。

当日編は続きで。




2018年1月13日土曜日

1月13日(土)ベジタブルマラソン in 彩湖

ベジタブルマラソン in 彩湖、30.5キロ

毎年出ていた森林公園マラソンが今年はなくなり、彩湖での30キロになっていた(実際の距離は30.5キロだそうだ)。フルがなくなっていたとは計算外。他のレースを探すもどこもエントリーは終わっている。しょうがないけどまあ30キロ、正月でぶの解消にはちょうどいいだろう。そんなに大きい規模じゃなく、こじんまりしていい大会だし。
先月はが路ふれあいマラソンを走ってから、左足のすね横が痛い。年末年始で丸々2週間走らなかった期間(さぼり)があるのに、痛みが引かない。走り出すと痛みは気にならなくなるから放っておいたけど、さすがにおかしいとぐぐってみたら、どうやらこれがシンスプリントという怪我らしい。だいぶ長引くやっかいな故障のようで、しばしぼう然。今シーズンもう終了かよ。あのしっぱい着ぐるみを持って走ったせいでフォームが崩れたか。走り込みはセーブするしかないのか。
朝6時過ぎに起床。シャワーを浴びて、体重を測ると、普段より3キロ増えてて(゚ロ゚)ギョェェェェ  ま、まあ、今回は正月でぶの解消のためだし、故障してるからのんびりランだし、などと言い訳(実際は解消できる重さじゃないし、ばかだからどうせ全力で走って悪化するおそれあり)。家を出て、電車に乗りバスに乗り継ぎ、1時間もかからず会場に到着。準備もそれほどなく、寒くて震えて待つ。10時スタートだったけど、荷物預けが混雑しているようで、15分遅れるとアナウンス。まじか、寒いのに。少ししてスタート地点へ。誰もいなくて最前列。やがて時間が来て、スタート。
しばらくキロ3分50秒台前半でいく。このシンスプリントっていうのは走り出すと痛みは感じなくなるんだよなあ、それが長引く一因になっている怪我なんだそうなんだが。彩湖の周囲を6周するコース。最初の1周目だけちょっと距離調整がありだいたい7キロ、これはまあ順調でいけたが、そのうち正月でぶが効いてくるんだろうなあ、年末年始のさぼりが効いてくるんだろうなあ、とうすうす感じながら、どこまで耐えられるか。2周目はだいたい12キロ、これもまあ順調にいけたが、だんだんきつくなってくる。3周目、16キロくらいでしばらく並走していた女子の先頭ランナーについていけなくなってくる、ペースを見るとキロ4分になっている。この大会はハーフと30キロの部門があり、一緒に走るからペースがそれぞれ違う。さらに周回コースだから誰がどのくらいなのかが分からない。あの女性ランナーはハーフなんだろうか30キロなんだろうか、ハーフだよなあ、ハーフであってくれと思いながら、少しずつ離されていく。多分ハーフなんだろうけど、ハーフのゴール、4周までついていけない。ペースはどんどん落ちていく。さらには左足すねがうずうずし出してきている。ああ、やっぱ悪化してるんだろうなあ。
5周目、21キロを過ぎると、ウォッチでのペースでキロ4分15秒という数字が見えた。うわ、ここまで落ちたか、あれ、いやちょっと待て、このまま落ちていくと、もしかして4分15秒ペーサーに追いつかれるんじゃないか。いやいやいや、それはなんとしても避けたい。必死にペースを上げようとするけれど、上がらない。ああ、だめだ、やっぱりろくに走らないでいながら舐めて走っちゃいかん。このまま落ちるばっかりか。きつい。ラストの6週目、27キロ過ぎ、また1人に抜かれる。ああちくしょう、悔しい、最後に抜き返したいなあと思うけれど、どんどん離されていく。ああだめだ、もうなんとか潰れないようにゴールするしかない。なんとかペースを保てるよう必死に足を前に出して、30キロ地点ではもうウォッチは見ず、あとは一気にゴールへ。ハーフのランナーと一緒になってゴール。2時間4分。

全体の平均ペースはキロ4分4秒。さぼりがたたって自業自得だけど、2時間5分切れるかなあと思って挑んだので、後半だいぶぐだぐだになったとはいえ、記録的にはなんとか納得のいくタイムだった。これだけさぼってこれだけ体重が増えてこの記録ってのはまあよかったといえるんじゃないだろうか。しかしそれにしてもシンスプリント。明日からまた痛みが出るんだろうなあ。来月の大会まで治るか。もし安静にして治っても、走力は落ちるからきついだろうなあ、どうにかならんかなあ。とりあえず今日はよくできましたので飲んで食ってねぎらおう。やせない。