2017年6月8日木曜日

6月4日(日)柴又100K その1

柴又100K、100キロ。

届かなかった3分を取り戻しに。

去年初めてウルトラマラソン、柴又100Kを走って、10時間3分。もう100キロなんて二度と走るかって思ったけど、どうしてもサブ10に足りなかった3分が悔しくて、もう一度だけと思ってエントリー。かすみがうらマラソンを終えてから、ロング走を53キロ、53キロ、70キロ、52キロをこなしてきた。70キロ走ったときはあと30キロをどうやって走ることができるのか、想像すらできないほど疲れてしまった。ロング走は去年と同じくらい。じゃあなにを変えればいいのか。去年は100キロ走るのに胃に食べ物が残るのを恐れて、軽めの朝食で済ませて、エイドもろくに取らなかったのが一番記憶に残っている。だから今回はきちんと食べて、食べながら走ることにしよう。
前日は21時前に眠剤をかじって就寝。当日3時起床。シャワーを浴びて、ご飯1.5合に納豆と卵の朝食をとって、出発。始発の山手線、地下鉄を乗り継ぎ、柴又へ。5時38分柴又着。帝釈天に寄り、10時間切れたらまた来ますってお参りして、会場へ。まずトイレ。服を脱いで着替えて、50キロ地点に置いておくドロップバッグに荷物を移して、荷物を預けて、もう一度トイレに寄って、スタート地点に並ぶ。しばしして6時30分、登録の部スタート。さあいよいよだ、4時40分までに戻ってこられるか。列が進んでけっこう前の方に並べた。そして6時40分、スタート。
ロスは4秒。レースプランは50キロまでキロ5分で行って、50キロの折り返しのエイド、去年は15分かかったところをできるだけ短くして、帰りもできるだけ粘って、70キロ以降はキロ6分以内に収めるといったところ。去年のペースがどのくらい落ちていったのか覚えていないけど、前半キロ5分、残り30キロをキロ6分にできれば、エイドで止まった分を考えてもサブ10はなんとかできるんじゃないかなあと思う。はじめのほう、ラップはキロ4分45秒前後。うん、これくらいでいこう。と、3キロすぎで車が横断するとのことでいきなり止められる。おいおい100キロの中のたった数秒、十数秒とはいえ、これは焦る。そしてまた走り出して、6キロ、また車の横断で止められる。おいなんだよこれ。後ろのランナーが2回目かよって言うのが聞こえる。あなたもですか。そのあとは順調に進んでいく。太陽は雲に覆われて日射しはまだ強くない。このままいければなあ、などと思う。沿道のスタッフの方がおはようございます、がんばってくださいってあいさつしてくれる。そうか、まだ7時、8時なんだ、おはようの時間なのかあ。起きてからもう4、5時間経っているのになあ、やっぱウルトラマラソンっておかしいや。
15キロ過ぎころから、少しペースが落ちてきているのに気づく。それと同時に尿意を感じてきているのにも。ペースが落ちているのはこの尿意のせいか。どうしよう。行けるなら早めに行っておいた方がいいか、100キロの長丁場だし、それほどのロスじゃない。と思い、20キロ地点でトイレに寄る。朝は脱水を避けるために会場に着いてから500ミリリットルのアクエリアスにメダリストのアミノダイレクトを溶かして飲んでいた。脱水になるよりはいいか。走りを再開し、21キロ地点でペース5分半。だいたい30秒のロスかあ。トレに寄るなんて初めてだったかもしれん、いやいや去年の柴又で寄ってるじゃねえか、とひとりでつっこみ、走っていく。雲がなくなり、太陽が出てきて、気温も上がってきたのが分かる。
25キロ過ぎ、あれ、なんだか足に疲労を感じる。おいおいまだたかが25キロだぞ、いつも走ってる距離だろ。と思いながら、なんでこんなに早く疲れが出てきているんだ、こんなんじゃ後半どうなってるか分からんぞ。そう感じるのと同じくらいで、風が強くなってきた。30キロ過ぎて足にはっきりとした疲労を感じるとともに、風はどんどん強くなる。いや強いなんてもんじゃない、暴風に近い。前からというか横から思い切り風が吹いてくる。距離表示のコーンが倒されているのか倒しているのか、ほとんどすべてコース横に倒れている。帽子はすでに脱いでいる。日射しが強いけれど風のおかげでそれほど暑くないのかも、助かっているのかもしれない、なんて思うけれど、さすがにこの風はひどい。ときどきなんだよこれ! と口に出して叫んでしまう。ランナーの横を風強過ぎますよって言いながら抜いていく。ああ、去年のほうがコンディションよかったなあ、去年10時間切れていればなあ、これで復路も向かい風だったらぶち切れるぞ、なんてことをずっと思いながら走り続ける。
40キロ手前で河川敷を離れてエコ・スポいずみのエイドへ。ボランティアの方々が梅干しとかを差し出してくれるけど、大丈夫ですって断り、水だけ取って駆け抜ける。そしてエイドを抜け、河川敷に戻り、橋を渡り、ここが3か所目となる未舗装路へ。いつも通りシューズはビブラムVFFなのでできるだけ端の芝生の上を走るけれど、今度は草が邪魔して思うように走れない。石もときどき踏んでしまう。あまりにも長くて、ペースも落ちてきていて、砂利が少ないところがなく足裏へのダメージがひどくて、心が折れかける。いや、この砂利道を抜けたころには完全に折れてしまう。45キロ過ぎから50キロの五霞町のレストステーションまで、どんどんペースが落ちているのが分かる。他のランナーにどんどん抜かれていく。なんとか、なんとかキロ5分で折り返したい、と思いながら、長い長い道路を走り、ようやくレストステーション。キロ5分なら50キロ地点で10時50分だけど、目に入ってきた50キロ地点の時計は、10時53分。あー・・・、だめだった。去年は50キロでペース5分17秒だったはずだから、ええと、分からん。去年とそんなに変わらんだろう。とにかく必死にあと400メートルを走り、レストステーションに到着。水を飲んで、トイレに寄り、かぶり水をかけてもらい、トマトを受け取り、ドロップバッグを受け取る。今年は時間短縮のためにシャツを着替えることもせず、時間がない時間がないとつぶやきながら、急いで補給食を補充して、軽く日焼け止めを塗り、足の痛みを感じていたから一旦VFFを脱いでみたら、案の定擦りむけて血が出ている。絆創膏をはり、急いで履き直して、もう一度水を受け取ってアミノダイレクトを飲んで、レース再開へ。ここで去年と同じく被り物、さくらんぼを被る。去年はここで15分かかったけれど、今年は10分。かなり急いだのに、こんなものかよ。余裕がない。

続く。





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