はが路ふれあいマラソン、42.195キロ。
クリスマスツリーで走ってきました。
去年、第1回はが路ふれあいマラソンに参加した。沿道の応援の方とのハイタッチが大好きで、第1回かあ、いろいろ不備はあるんだろうなあ、でもいなかの人たちのあったかい応援をもらえそう、日帰りで行けそうだし。そんな気持ちで参加したんだけど、いい意味で裏切られた。あまりにも完璧な運営に。そしてあたたかい応援に。この気持ちを誰かに伝えたくて、ランネットとかに投稿しようとか思ったけど、なかなか気持ちが落ち着かず、誰にも言えずに過ぎてしまった。
で、今年。今年もはが路ふれあいマラソンにやってきた。先月さいたま国際マラソンでグロスサブスリーを余裕あるうちに走れたこともあり、そして、本当に本当にあたたかい応援に、なにか、恩返しといったら偉そうだけど、沿道の方々にも少しでも喜んでもらいたいなってことで、仮装ランをすることにする。クリスマスツリー。
朝5時の電車に乗って宇都宮へ。改札前からスタッフがバス乗り場を案内している。寒いなか本当にありがとうございます。無料バスに乗り、40分くらいかけて会場へ。車内ではアイマスクをかけて負担を減らす。会場に着いて、ロッカールームへ。去年は「ロッカー100円」って書いてある張り紙を見て、100円かかるのか、って財布から100円出して受付にむかったところ、「100円はこちらがお渡しするんですよ」と返された。・・・どゆこと? ロッカーを使うのに100円かかる。その費用を受付で出してくれるとのことだ。なかばあ然としたことを思い出しながら、今年もシステムは同じで、100円受け取ると、隣りで同じく100円を受け取ったランナーがものすごいとまどってるのを見て、そうだよなあ、どう考えてもおかしいよなあ現金を渡してくれるなんて。とちょっと笑みがこぼれてしまう。
ロッカールーム、プールの着替え場所らしいけど、今年はロッカーを移動して場所を広く取ってあるんだ。運よく椅子が空いているのを見つけて、そこに座る。時間に余裕があったので、しばらく過ごして、さあ着替え。ガチランナーさんに仮装するとか見られたら反感買うかしら、などと思いながら、意を決して隣りにいらっしゃったランナーに、すみません写真撮ってもらえませんでしょうか。快くオッケーをいただき、クリスマスツリーの被り物を取り出してかぶる。すると、サンタの格好をしたランナーが来て、一緒に撮りましょうと。仮装を取り出すまで、ちょっと冷めた目で見られるかもしれないなどと思っていたけど、よかったああ。そんなことがあり、ツリーを抱えてスタート地点へ。予想タイムで並ぶんだけど、これをかぶったらどれくらいで走れるんだろう。さっぱり見当がつかないし、前の方に並んでいたらやっぱりガチランナーの反感を買うんじゃないだろうか。いやちょっとやそっとじゃ負ける気はしないけど、などと思い、最後尾からスタートすることにする。移動して、ツリーをかぶって、しばらく待っている間、トイレに行きたくなる。むう、水分けっこう我慢したのになあ、やっぱり寒すぎるのか。ああ、こういうときに最後尾は本当に気が楽だなあ。とトイレに行って並び直すと、周りにいろんな仮装ランナーが集まっている。ふと後ろを向くと、同じツリーランナーがいた。やあやあどうもどうも。完走できるか不安です、僕もどうなることやら予想もつきません、などと会話をして、いよいよ9時33分スタート。
スタートのピストルが鳴り、花火が上がる。けれど、最後尾だけあってまったく動かない。我慢できなくなって、横の歩道を走って前へ。スタート地点は1分ちょっと過ぎたところで通過。ランナーの間を縫って走る。あ、この仮装意外と足が動くぞ。そんなに負担にならないかもしれない。ひょいひょいと周りを抜いて走ると、ツリー速い、みたいな声が聞こえる。どこまでいけるか分からないけど、いけるだけいこう。沿道がツリーに反応してくれる。うれしい、これを期待していたんだ。沿道の方々が喜んでくれている。手を振って、メリークリスマスを言いながら走る。思ってはいたけど、仮装ランってものすごい楽しい。沿道の声援が何倍にも力になる実感がある。ランナーからも、横に並ぶと笑いが起きたり、声かけてもらったり、ツリーでしかもビブラム! って驚かれたり。うれしいなあ。ビブラムに気づいて声かけてもらえたのは3人くらいだったかな。なんかツリーで声かけられるのとは別ものでうれしい。
沿道の声援が途切れず、楽しいランを続けて、何キロだっただろう、途中でエイドがあって、エイドでなにかを食べる習慣がないからそのまま走っていくと、あっイチゴだ、イチゴだって気づく。気づいて手を伸ばしたけど、一瞬の差でイチゴをつかめず。イチゴーって声上げてくやしがる。それから15キロくらいだったろうか、子どもたちが手を伸ばして、なにかをぶら下げている。あ、これ去年もらいそこなったお守りだ。手を伸ばして、取れない、タイミングが合わない。そうこうするうちに、ふと手を見ると、取れてる。やったー去年もらえなかったお守りを今年はもらえた。よし大事にしよう。右手に巻きつけ直して走る。そして相変わらず途絶えない沿道の声援をもらいながら走る途中、沿道から100メートル先に赤羽(有紀子)さんが走ってったよーって声かけてもらって、まじでー追いつくー! って返して、そのうち、赤羽さんがハイタッチしてるのにすれ違う。去年はスタートすぐで抜くときに、なんて声かけたらいいか分からず、そのまま過ぎちゃったけど、今年はハイタッチしてくれたー。他にも途中で被り物してる俺を気づかってくれたのか水を取ってくれたランナーがいたり。などなど前半だけでもいろんなことがあった。
そうしていよいよ名物の山の中の坂道へ。第1回からこの坂はきついって散々言われてるけど、本当にきついのはこの坂を越えて、ハーフを越えたところのだらだら続く上りなんだよなあ。そう思いながら、ここは慎重にと思い聞かせて上り下りをこなしていく。富士山マラソンに匹敵するものすごい坂を下り、20キロ。ここでも少ないながらも沿道に応援がある。そしてハーフ地点の道の駅へ。道の駅エイドは左右どちらにもあるから、どっちからエイド受け取ろうか迷う。左に行って、イチゴを1個もらって、その勢いで右に行ったら通り過ぎてしまった。止まれない。イチゴは食べられたけど給水があああ。と思いながら道の駅を通過。さあここからだ。ハーフの表示でタイムを確認すると1時間38分。まじかよ、こんなに遅いの初ハーフ以来だ。そして上り坂へ。いやあきつい。この坂やっぱりきっつい。22キロ過ぎてようやく坂が落ち着く。やはりハーフ前の名物アップダウンより、この長い上り坂のほうが曲者ですぜ。
そこからはいなか道をずっと走っていく。それほど人が多くないけど、人がいるとみんないっぱい手を振って、声を上げて応援してくれる。けれど、今までずっとサブスリーペースで走ってきたことで、今のペースだと何分くらいになりそうなのか分からなくなってしまっていた。そんなまま、30キロくらいで人がまたいっぱいいて、手を振って応えて、気づいたら赤羽さんもいて、赤羽さんと2度目のハイタッチ。あとで思い出したんだけど、ここはハイタッチゾーンっていっていっぱいハイタッチできる地点だったんだ。すっかり忘れてた。ショック。
それからしばらく走ると、ひとりのランナーが隣りに並ぶ。声をかけられてふと見ると、あっ、前に水を取ってくれたランナーだ。前に水を取ってくださった方だー、と言うと、実は着替えで近くにいました、とのこと。思い出した、隣りで着替えてた人だ。それから並走する。実は仮装で走っているうちにペースが分からなくなっちゃって、というと、今は315ペースですよ、と。3時間15分。あー、310は切れませんかねー。310は厳しいです。315ギリです、315にゴールするにはもうペース落とせません。落とせませんかあ。落とせませんねえ。などと会話して走る。ペースを落とさず、置いていかれないようになんとか食らいつく。40キロでふざけんなって坂がありますからそこまでは我慢ですよ、って言って、自分も鼓舞しながら走っていく。もうここらへんだと私設、オフィシャル両方のエイドがたくさんあって、えらいことになってる。そして39キロ。いったん右に曲がって上り坂。そして少し下って、ここで並走してくれたランナーさんが遅れ始めてしまう。いよいよ40キロの激坂。ああ、大丈夫かなあ、もうひと踏ん張りですよ、って心で声かけて。坂を上る。力を入れず、淡々と走って、上っていく。どんどん抜いていく。やっと坂が終わり、いよいよラスト。やっぱり3時間10分は無理みたいだ。グロス3時間15分は切りたい。沿道にいた方が、仮装を見て、ゴール盛り上げてーって声をかけてくれる。おっしゃああああ。と気合い入れて、スパート。ゴールはまだかー。ふとウォッチを見ると、あー15分切りは無理かー。最後のカーブを曲がり、ゴールが見える。人がいっぱいいる。もうタイムはいいや。手を振りながら走って、ゴール。グロス3時間15分。
いつものことだけど、ゴールで止まれず人垣に突っ込みそうになる。それくらいスパートでダッシュしてる。ダッシュするくらいならもっと前から力なくなるくらいに走っておけよ。でもそれができない。ぎりぎりまで走り抜けて、ようやく止まる。女の子がドリンクのペットボトルを手渡してくれる。ゴール地点の男の子に手を振って、しばらくゴールを見ていると、さっき並走してくれたランナーさんもゴール。見届けて、声をかけて、足がつってしまったようだ、記録証発行へ。待っている間受付してくれてる、この格好見てちょっととまどってる女の子に、真顔でメリークリスマスって言ったら大爆笑してくれた。うれしい。そしてさっきのランナーさんととん汁を食べに行く。途中で出店の人にメリークリスマスとか、イチゴを売ってる人に食べていけって声かけられたり。さあ去年気づかなくて食べられなかったとん汁だ。ついに食べる。食べている間同席したランナーさんともいろいろ話をする。やっぱりこの大会はすばらしいね、とか別大マラソンの話とか。そして食べ終わって、着替えて、この大会ももう終わり。ものすごく楽しくて、ちょっと寂しくなってくるなあ。バス乗り場に向かって、乗車。少し待って、発車。走り出してふと横を見ると、スタッフが手を振ってくれている。ああ、最後までなんてすばらしい大会なんだ。来年もまた来なきゃ。本当にお疲れさまでした。大満足です。
去年感じたすばらしい大会だとの評価はなにひとつ変わらない、いやより充実した大会だった。スタート前からゴール後まで、いったいどうしたらこんな大会がつくれるんだろう。いや、大会そのものがすばらしいのはもちろんだけれど、沿道の人々の応援は、運営がどうやってもつくり上げることはことはできないはず。なんでここの人たちはこんなにもあったかいんだろう。なんでこんなに力をくれるんだろう。そんなことを思う。そして、ファンランは初めてだったけど、ツリーは沿道の声援に少しは応えることができたかな。少しは大会を盛り上げることができたかな。それができたなら、なによりだ。
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