2019年3月31日日曜日

3月30日(土)なにわ淀川フルマラソン

なにわ淀川フルマラソン、42.195キロ。

篠山ABCマラソンが大変気持ちよく走れたのと、例年4月までフル(かすみがうらマラソン)を入れていたこともあって、もう1回くらい走っておきたい。なにかないかと探したらあった、なにわ淀川マラソン。近いしよく走っている河川敷だし、直前まで受付しているようで、勢いでエントリー。しかしふと大会直前になったら、篠山のあと4週間あって5回しか走っていなかった。直前の1週間は、食事制限をしていてなんでエントリーしちゃったんだろうと後悔しそうになったりしたけど、まあなんとかなるでしょと軽い気持ち。前日はいつも通りパスタを山盛り食べようとしたらパスタが少ししかストックがない。うどんも食べて24時に就寝。6時起床。ご飯1.5合を食べるけど、水が少なくて固かった。8時前に出発。30分ほどで現地に到着。近い。ちんたら準備して、トイレに行って、着替えて、整列。
スタート前ってギスギスしがちだけど、司会が周りとハイタッチしましょうって言って、ハイタッチ。自分自身ピリピリしていたのを反省。今シーズン最後だから、最後に急に入れたレースだから楽しく走ろう。やがて10時、スタート。タイムロスはほぼなし。抑え気味で入って最後までスピードを上げられなかった愛媛マラソンを思い出して、体の動くように走るのが自分には合っているなと感じ、足が動くにまかせて走る。胃の中からこみあげるような感覚があったけれど、大丈夫だろう、やがておさまる。最初の1キロは4分8秒。次の2キロは4分6秒。うん、このままいこう。このまま、4分10秒を切るくらいで走っていく。7キロ過ぎに最初の折り返し。
コースマップ
折り返して10キロ41分。このままだと3時間切れそう、でも走っていないから後半もつかな、どこまでこのペースでいけるかな、と思いながら、順調に進む。途中暑くなってくる。なんだかずいぶん気温が高く感じる。桜は来週までもつんだろうかなどと思う。14キロ過ぎ、ゴール地点に戻ってくる。あれ、ここバーベキュー会場か、てことは去年淀川市民マラソンを走ったのと同じか、ということは、などと思っているうちに砂利道に突入。ぎゃあ。足裏が痛い痛い。まじでものすごく痛い。そして砂利道がまた長い。あああ、未舗装路ってこれのことかあ。途中にあった芝生のことじゃなかったかあ。これ4回も走らなきゃいけないのかあ。一気にペースとやる気が下がっていく。完全に舐めてた。なんとか砂利道を抜け、ペースを取り戻せないでいると、ひとりのランナーに追い越される。後ろから足音が聞こえて、ペースが落ちた砂利道のせいにしていたら、そのランナーに追い越されるときに「フォームがすごくきれいですね」って声をかけられる。えっえっ、褒められた、こんなこと言われたの初めてだ。なんか中途半端な返事をしてしまったけれど、おれもまだまだやるなと喜ぶ。ありがとうございます。
17キロ過ぎに2度目の折り返し。そしてまた砂利道へ突入。できるだけ道の端の芝生部分を走ろうとするけれど、どうしたってペースは落ちる。こんなのに気を取られずに進めればいいんだけれど、そこまで強くない。ちくしょうちくしょう。痛いよう痛いようと声に出しながら、なんとか砂利道を抜けて、もう1周へ。ハーフまではまだペースを保てていたけれど、すぐに落ちてくる。そういえばハーフ地点のタイムはいくつだっけ。23キロだったか24キロだったか、気づいたら後ろに複数の足音が聞こえて、3時間ペーサーに追いつかれる。あれっ、もう追いつかれた。前半はけっこういいペースで進めていたのにな。なんとか食らいつこうとするけれど、やっぱり一度落ちたペースは取り返すのが難しい。少しずつ離されているのが分かる。28キロ、3度目の折り返し。

そこから、コースに何キロだったかの表示があって、おかしな感覚でふと我に帰る。あれ、今おれ何キロ走ってるんだっけ、20キロ? ウォッチを見る。30キロ走ってる。何度か見返す。おかしいな、30キロも走った覚えないぞ。思い出そうとすると、記憶が飛び飛びになっていることに気づく。あれ、もしかして記憶が飛んでる? 体調がおかしい? 3時間ペーサーにはもう抜かれたんだっけ? ペースは4分20秒を超えている。気づいたらコース左に寄っている、あ、これまずいかも。視界がところどころ暗くなる。まずいまずい、給水をしっかり取らなきゃと思うけれど、なかなか給水がない。給水少ないなあ、やばいなあ。また砂利道へ。痛い痛いと走り抜ける。ひとりのランナーを追い抜くときに、スパートすごいですねって声をかけられる。いえいえいえ。スパート? そんなにスピード出てる? おかしい? 4度目の最後の折り返し。ここでコース誘導の男性に声援を受けて、応えて、ああ、声援っていいなあと思った瞬間、体が総毛立つ感覚が襲う。そのままなかなかおさまらず、うわ、これ相当まずいんじゃないか。いつゴールだ、もうすぐゴールのはずなんだけど、早くゴールしないとまずい。そして最後の砂利道をなんとか抜けて、やがてゴールへ。ゴール前でひとりに抜かれて、ああ、いつもならここでダッシュして抜き返すんだろうなあ、とぼんやり思い、ゴール。3時間4分。
頭がずきずきする。視界が暗い。かなりまずい。銭湯に入ってビールを飲みまくる予定だったけれど、なにもせずに着替えて帰宅。頭痛が続く。脱水症状か、なにか体調不良か。なにがあったのか。まさかここまで体調が悪くなるとは、怖い。とにかく無事にゴールできたことによかったと思おう。とりあえず今はちょっとだけ体調が戻ってきました。寝れないけど。

これで今シーズンは本当に終わり。大阪に引っ越しての初のシーズン、走る時間も距離も減り、神戸、奈良、大阪、京都と都市マラソンに軒並み落ちて、なかなか理想的なランはできなかったけれど、これから春で暖かくなることだし、またのんびり走っていこう。




2019年3月10日日曜日

3月3日(日)篠山ABCマラソン

篠山ABCマラソン、42.195キロ。

愛媛マラソンで完全に燃え尽きたかのように、その週の土日は走らずにいた。気づいたらもう次のレース、篠山ABCマラソンが迫っているじゃないか。10キロ、13キロ、6キロ、6キロの4回走って迎える。我ながら納得のいく走りができる気がしない。それでもこれでどれだけ走れるのか確かめよう。前日はいつも通りパスタを山盛り食べて、22時就寝。
当日朝4時半起床。食パンを2枚食べて出発。大阪駅から6時にバスに乗って向かう。アイマスクをして寝て、7時過ぎに食パン4枚とカステラを食べる。7時半過ぎに篠山に到着。ウェアは着てるから脱ぐだけだし、特にすることないなあ。スタートは10:50。なにしてよう。会場をウロウロしたり大会パンフを見たりして、これはもう少しゆっくり出発してもよかったかもしれん。9時半、ジャージを脱いでビニールをかぶってシューズを履いて、トイレに並んで、10時過ぎに荷物預けへ。預ける直前、あれ、大会前は雨だ雪だ言われてたけど、むしろあったかいくらいじゃないか。アームウォーマーどうしよう、しばし迷って、いいやいらない、と脱いで荷物を預ける。これが結果的に成功だった。そのままAブロックに移動して、スタートを待つ。しばらく待って、9:40登録の部がスタート。ここでさくらんぼの被り物をかぶる。そう、今日もまた被り物をして走るのだ。10:50、スタート。
タイムロスは30秒。コースがだいぶ狭いこともあって、しばらく渋滞が続く。最初に飛ばさないようにと思っているけれど、先月の愛媛マラソンが4分半で行こうと思って走り、4分半でいっぱいいっぱいだったのが頭にあるからか、なかなか抑えられずにランナーを抜いていく。最初の1キロが5分。まあこんなもんだろう、と思いながら走っていくと、次の2キロは4分2秒、3キロは3分56秒。しまった、飛ばしすぎた。こんなスピードで走ったのはいつぶりだろう、まずい。と思いながらも4分10秒を切ったままで進んでいく。天気がよくて、すぐに暑さをおぼえる。3キロもいかないくらいだったか、まずネックウォーマーを脱いで、間もなくビニールも脱ぐ。ああ、アームウォーマー外してほんとよかった。10キロで42分。これくらいでちょうどいい、というか速いくらいか。それにしても沿道の応援がすごい。まだ前半だというのに飴やチョコを持ってくれている子供たちがとても多い。野球少年たちのさくらんぼチョコ取ってーって声が聞こえる。さすがに前半でもらうのもなあと思い、手だけ振って応える。ごめんね。
15キロくらいからゆったりした上りがあり、少しペースが落ちたけど、あれ、これもしかして3時間切れるんじゃ、と思いながら進んでいく。もしかしてもしかして、と思いながら、20キロあたりで集団に抜かれる。ペースは落ちていないのになんで、あ、これはサブスリー集団なのか、そう思っていたらハーフ地点、1時間29分。あーやっぱサブスリーはだめだあ。はい無理はい無理はい無理って声に出す。目の前にいる集団に、お前らも無理だぞってつぶやく。まあもともとサブスリー目標じゃなかったし、ちぇっ。そこからはペースが落ちていっているのが自分でも分かる。このままずるずるとだけはいかないようにと進む。25キロすぎ、ジェルを補給。今回試しに1本しか持っていなかったけど行けるだろうか。そうしていたら、27キロすぎ、突然頭が(物理的に)軽くなり、えっ、なに、思わず振り返るけどなにも落ちていない。なにが起きたのかと思ったら、被り物のさくらんぼから、小玉が取れたのか。あああ、ぶるんぶるん揺れて走りづらいよう。
なにを言っているのかよく分からないとは思いますが、
頭に被る大玉部分にくっついていた小玉が取れました
小玉が肩にポンポン当たってものすごいうっとうしい。こりゃだめだあ、と思うけれど、走りには影響がない。我慢するしかないか。折り返してくるランナーを見ながら、この人たちは3時間余裕なんだろうなと思う。30キロ地点で2時間8分。ああ、やっぱり3時間は厳しいな。コースを折り返して、ここからどれだけ耐えられるだろうか。向かってくるランナーとすれ違い進む。そうしていたら、32キロのペースが4分16秒。あれ、復活してきた。なんでなんで? 28キロで摂ったカフェインのおかげ? まさかの復活にびっくり。続いて33キロが4分10秒、34キロが4分13秒。これはもしかするかもしれん。と思ってすぐに、左足ふくらはぎがぴくっ、ぴくっといい始める。まずい、つりそうだ。やはりここまでか、悔しい。あー、ここ以外は問題ないのに、むしろ快調なのに。これ以上はペースを上げられない。つらないようにと抑えながら、もう少し、もう少しと進んでいく。39キロ地点で目の前のランナーがウォッチを見たのが目に入って思わず、3時間はきついですねえ、と声をかける。キロ4分でも無理ですね、3時間2、3分てところですかね、と返される。がんばりましょうとお互い言い合い、走っていく。40キロ地点で2時間53分。もういいや、全力でゴールしよう、これだけ走れるなんてよくやったよ。ペースを落とさないように耐えて、ゴールが見えて、さくらんぼの小玉を手に乗せてゴール。3時間2分。

前半は上りが少しあるけど、後半はほぼ平坦というか下り。とても走りやすいコースだった。天気も寒すぎず、小雨が降るくらいのベストコンディション。そしてなにより、沿道の声援がすごい暖かい。やはり歴史がある大会なんだな。走っていてとても楽しかった。これだけ怠けてこのタイムなら大満足。来年第40回なのか、また走りたいな。走り終わったあとにお風呂に入れるそうで、行ってみたらものすごく遠くてびっくりした。案内の地図と全然違うじゃないか。さっぱりしたけど。



2019年2月17日日曜日

2月10日(日)愛媛マラソン

愛媛マラソン、42.195キロ。
高槻ハーフ以降、ちょぼちょぼと走り続けて、気づけばもう愛媛マラソン。11月の福知山マラソン以来30キロ以上を走っていない。まずい。困ったときの、いや逃げたいときのと言ったほうが正確かもしれない、仮装ラン。去年のいわきサンシャインマラソンのと同じくスーツで走ろう。簡単でありながらランナーからも沿道からも一目置かれるのだよ。安易。
8日(金)夜、準備をしていて、寝たのは1時頃。そして4時過ぎに目が覚めてしまう。そのまま寝られず、だったら早めに愛媛に行こうと6時過ぎに出発。新幹線で岡山に行き、特急で愛媛県松山へ。途中、いわきサンシャインマラソンが中止になったことを知る。うわあ、しばし絶句。大阪に引っ越して、2月のマラソンどうしようというときに、前々からすごく評判のいいと聞いている愛媛マラソンと、過去走って本当に大好きないわきサンシャインマラソンのどちらにしようか悩んでいた大会だった。愛媛マラソンに落選していたら絶対にいわきにエントリーしてた。ランナーだけでなく、スタッフ、運営、そしてボランティアの方々の無念さはいかばかりか。愛媛マラソン当たっててよかったとは簡単には言えない。話は戻って、電車内で空腹で気分が悪くなってきて、結局寝られず、松山駅に到着。
まずお昼ご飯を食べないと。松山駅と松山市駅は違うのか、松山市駅まで歩いて、駅前のスパゲッティ屋さんに入る。量が多いと評判の店だったけどペロリだぜ。いったんホテルに荷物を預け、松山城見物に行く。松山城はあまりに規模がでかくて、ずっとすげーすげーつぶやきながら見て回る。お城から山を降りて、マラソンの受付を済ませて、開会式を見る。受付から大会会場まで、人がいっぱい。県知事、市長も走るそうだ。ゲストランナーも豪華だ。愛媛マラソンはかなり規模の大きい大会なんだと、今さらながら気づく。晩ご飯はまた松山市駅前でうどんを大盛りといなり寿司を食べて、ホテルにチェックイン。けっこう歩いたなあ。明日の荷物を整理して、21時半に就寝。
朝6時に起床。シャワーを浴びて、ホテルのレストランで朝食。ご飯を大量に食べる。ウェアを着て、出発。大街道からスタート会場まで、けっこう歩く。8時過ぎに到着。トイレもまだ人がまばら。2回トイレに行き、スーツに着替え、9時に待機列に並ぶ。待ちながら、ペースはどうしようか。去年のいわきサンシャインマラソンが3時間15分だったのか、しかも直前の1か月走ってなかったのか。まあ今年ものんびりキロ4分半くらいにして、3時間20分くらいを目指そうと決める。9時40分、開会のあいさつ。そしてスタート地点に移動、なのだが、みんな走ってる。あれ、もうストーとしてるのかと思うほど。つられて走ってしまうが、出来るだけ前に並ぶために走ってたのか、なるほど。そしてまたしばらく待ち、突然遠くのほうで号砲が鳴ったのが聞こえる。あわててウォッチのボタンを押す。でもしばらく動かず、少しづつ歩き、スタート地点のマットを踏むまでちょうど2分のロス。ついにスタート。
スタートの待機が長いため、あまり水を飲まなかったので、スタートしてすぐゼリーを飲む。しばらくは渋滞でスピードが出せず、ランナーの合間を抜いて走る。最初の1キロは7分。おおう、だいぶロスしたなあ。このロスは取り返すことができるんだろうか、せっかく当選して、旅ランして、もっとのんびり走ればいいのに、あせってペースをあげる。3キロくらいからようやくランナーがばらけてきた。ペースも4分半をキープしている、というか、ちょっと苦しい。キロ4分半でいっぱいいっぱいな感じ。まずい、このペースを維持してゴールできる気がしない。どうしようか。松山市街を抜けて、家々も少なくなってきたけれど、沿道の応援が途切れない。ずっと応援が続く。7キロ過ぎ、右に長い坂が見えてきた。これが平田の坂というらしい。それほどびっくりするような坂でもなく、淡々と上る。そして下り。10キロ地点で48分。
そしてやがてトンネルに入る。トンネルを2つ抜けて、それからはほぼまっすぐのコース。すごく天気がいい。日差しがけっこうある。そして風も強い。ジャケットを着ているので汗をかいて、日差しがあって暑いんだけど、風が吹くと一気に冷える。暑くし冷たいしきついよ。沿道の声援は途切れない。スーツとかサラリーマンとか声がかかる。声を出して、手を振って応える。道路の向こう、戻りのコース上の給水の人たちにも手を上げると、元気に振り返してくれる。うれしいなあ。17キロで一六タルトを配っている。手にとって食べる。うん、やっぱりちょっと食べにくいな。しばらくまっすぐ走っていく。やがて右へのカーブがあり、20キロ地点、1時間34分。えっ、ハーフじゃなくて20キロ? と一瞬混乱。てことはハーフで1時間40分くらいだから、ええと、ゴール3時間20分ぎりじゃねえか。などと思っていたらハーフ地点、1時間39分。やはりか、きついなあ、このペースで盛り返せる自信がない。とにかく維持できるように進んでいくしかない。25キロで折り返しがあり、やがて来た道を戻っていく。少しづつランナーを抜いていく。拾っていくという表現か。周りはペースが落ちてきているようだけど、自分はまだ落ちていない。キロ4分半は切れている。このままどこまで粘れるか。
沿道からずっと応援が続いている。確かにこれだけ途切れないマラソンというのもすごい。スーツがんばれっていう声がたくさんかかる。ちっちゃい子どもたちも手を伸ばしてハイタッチしてくれる。できるだけすべてに応えるように声をあげ、手を伸ばす。楽しいなあ、これがマラソンの楽しさだ。途中の給水、まんじゅうを渡そうとしているのが見える。せっかくだからもらおうとしたら、目の前にいるランナーに取られてしまい食べられず。あっそういえばエネルギージェルを摂っていなかった。のんびりランでバナナとかも食べようと思っていたから忘れてた。結局一六タルトしか食べていない。手持ちのジェル1個を摂る。30キロ地点で1時間18分。サブスリー目安より10分ちょっと遅れてるから、やっぱり3時間20分くらいか、切れるくらいかな。そしてまたトンネルを抜けて、長い坂を上り、下る。トンネルの前だったか抜けてからだったか、顔をあげたらQちゃんがいて、ハイタッチできた。すごいって言ってもらえた。
37キロ、残り5キロか。ずっとキロ4分半は切れている。最後くらいスパートかけたいもんだ、などと思うけれど、なかなかスピードが出せない。だんごを配っているけれど、さすがにだんごは食べられないよう。左のほうに山が見える。あれが松山城か。ゴールか。と思っていたら過ぎてしまった。街中に戻ってくる。沿道の応援がぐっと増えてくる。何度も何度も声援に応えて、手を振って、ハイタッチして、残り3キロ。まだまだ、ペースをあげるよう足に力を入れる。ランナーをどんどん抜いていく。左のほうの山にお城が見える。今度こそゴールだ。道路が広い。こんな大きな道路を走らせてくるなんて素晴らしいな。松山城が大きく見えてきて、周りの応援もすごい。足はまだ止まらない。ラストだ、最後の最後、応援に応えるように手をあげて、松山城公園への入り口を曲がりすぐゴール。前にいるランナーをどんどん抜けるという気持ちもあり、全力でダッシュ。ゴール。3時間15分。
ゴールして、ボランティアのスタッフちゃんたちとハイタッチして、急いで着替えて、愛媛に移住した友人に会って、道後温泉に入って、飲んで、深夜バスで眠れず、おしまい。

コース自体は長い一本道を行って戻ってくるというもので、変化があるわけではない、いわれるほど大きな坂もない、どちらかというと退屈かもしれない。それでもこの大会は、愛媛県が、松山市が、運営が、みんなで盛り上げようとしているのを感じることができる。大会終了まで、なにひとつストレスがない大会だった。そしてなにより、沿道の応援がとにかく温かい、熱い。これだけランナーを後押ししてくれる応援はなかなかない。評判どおり素晴らしい大会だった。せっかくのたくさんの応援に応えるようにのんびりゴールしようと思っていたのに、最後全力ダッシュしてしまったばかがここにいる。本当に楽しい大会だったけれど、もっともっと楽しみたかったな。ありがとうございました。



2019年1月24日木曜日

1月20日(日)高槻シティハーフマラソン

高槻シティハーフマラソン、21.0975キロ。

11月に福知山マラソンを走ってから忙しいだの風邪をひいただの年末年始だのが続いて、まるでもう走ることをやめてしまったかのようだ。体重もひどいことになっている。しかしエントリーしているレースは近づいてきている。一夜漬けで身になるはずはないと分かっていながら、13日(日)14日(日)と続けて21キロ走ってみる。きつい。調整と割り切って走るしかない。1時間30分切れればいいかなあ。また一からやり直そう。
前日夜はいつも通り山盛りパスタを食べて、23時就寝。朝6:40起床。ご飯を1合食べて、ハーフだし近いし気が楽だなあ、と思いながら電車の経路を検索してみると、予定していた出発時間がすぐに迫ってきている。あわてて外出、したら忘れ物をしたことに気づいて2回ほど行ったり来たり。さらに走って駅に行って間に合った、と電車内で荷物を調べてみると、レース用のウェアがない・・・。一瞬、どころかしばらく固まってしまう。どうしよう、このまま着ているTシャツで走ろうか・・・。いやまだ時間はある、戻ろう。ひと駅で折り返して帰宅。着替えを取って今度こそ忘れ物はないよな、とまた向かう。30分のロス。ちゃんと準備していればよかっただけなのになんでいつもこうなんだろう。
高槻駅に9:10過ぎに到着。すぐに送迎バスに並び、乗り、まだ着かないか、まだ着かないかと焦りながら、9:45ごろに会場に到着。急いでゼッケンを受け取り、着替えに体育館へ、と思ったら間違えてグラウンドに行ってしまった、体育館に入って着替え、おろしたてのVFFを履いてスタート地点へ。雨が少し降っている。トイレに並ぶ間はもちろんなく、会場を見渡す間もなく、10:20スタート。
スタートのロスは8秒。最初の1キロは4分15秒。このくらいでいいだろう。無理しないようにしよう。間もなく河川敷に出て、しばらく走っていく。ずっと淀川沿いを走っていると思っていたら、支流の芥川という川沿いだったらしい。3キロ過ぎ、やがて淀川沿いに出て、キロ4分ひと桁くらいでずっと進む。河川敷沿いでちょっとした上り下りがあるコースなんだな。ずっと周りと同じくらいのペースで走っていく。ごみ焼却場なんだろうか、大きいタワーを横目に走って、そのままやがて10キロの折り返し。ペースが崩れる気配はない、まだ大丈夫そうだ。河川敷を降りて街中に入る。ずっと河川敷の行き帰りだと思っていたら帰りはコースが違うんだ。ちゃんとシティ(街)マラソンになってるんだなあ、などと(ウエメセで)思う。折り返しすぐをはじめ、沿道の応援が力になる。ときどき手を振って応える。こんなに寒くて、雨まで降っているのにありがたいなあ。途中で私設の給水所がある。ここはスポーツドリンクがすごく濃くて、受け取って飲んで思わずんまいって声に出してしまった。
13キロくらい、行きで目にしたタワーにまた戻ってきた。しばらく続いていた街中をいったん離れ、河川敷に上る。ここから行きのランナーとしばしすれ違う。ファイトって声かけたい(ウエメセ)けど、それはしないで、やがて15キロ。このまま体が動くまま走ってきたけど、まだいけるかもしれない。残りの5キロくらいは全力を出してみようか、などと思うけれど、一緒に走っているいったん抜いたランナーから抜き返されるのがくやしいので、あたりをうかがいながら走る。10キロマラソンのランナーと合流し、やたら狭い河川敷の下り、そしてまた工事中で舗装されていなくて踏むと沈むような砂利道を走ったりして、また街中へ。残り3キロ、市街地へ。今度こそもう誰にも抜かれまいとペースを上げる。残り1キロ、まだペースを上げる。どこがゴールだ、まだか、と思いコースを右に曲がると、目の前にゴールのアーチが見えた。ここか、全力でダッシュして、ゴール。1時間26分。
高槻シティマラソンはスタートとゴールが違い、ゴールしてからしばらく住宅地を歩いて戻る。本当に、ものすごい住宅地。すごい迷惑をかけているんじゃないのか、いやご協力をいただいているんだろうなあなんて思いながら歩き、スタート地点の陸上競技場に戻ってきた。そのまま記録証の発行に並ぶはずなんだけど、寒い。風邪をひきそうなまずい気配がする。また風邪をひくわけにはいかないと、なかば臆病になり急いで着替え、手足がよく動かないほど冷えている。のんびりと会場を、高槻を見て回ることもせずに帰る。最初と最後急いでしまったけれど、また高槻に来たいな、そう思えるいい大会だった。お疲れさまでした。ありがとうございました。
しばらく、怠けるというか、本当に走るのやめたんだろうかと自分でも思うくらいだったけれど、やっぱり走るのは楽しい。さらにここのところの怠慢にしては、満足するくらいの結果だ。やっぱり走るのが好きなんだなあ。これからもちゃんと走ろう。ばかだから走ることしかできないんだから。


2018年11月24日土曜日

11月23日(金)福知山マラソン

福知山マラソン、42.195キロ。

大阪に引っ越して来てから半年、薄々感じてはいたけれど、ふと走った距離を振り返ってみてあ然とする。去年よりびっくりするくらい走っていない。毎月50キロくらいずつ少ない。でもしょうがないなあ、思い返してみても明らかに走ってないもんなあ。こりゃ厳しいなあ、と思いながら福知山マラソンに挑む。前日はいつも通りパスタを山盛りで食べて眠剤飲んで寝る。
3時半くらいに目が覚めて、4時起床。シャワーを浴びて、食パンを1枚食べて始発で出発。臨時列車に乗って大阪から福知山へ。はじめは寝て、7時ごろから起きて食パン4枚とおにぎり1個を食べる。列車内でトイレに行って、8時に福知山に到着。そこからシャトルバスに乗車。また寝る。8時半過ぎに会場に到着。ゼッケンを受け取り、体育館でゼッケンをつけて、トイレへ。それほど並ばずに済ませる。それから体育館に戻って着替え、もう一度トイレへ。今度はすごい行列。10時前にスタート地点に到着。日差しが出てきた。服装は手袋にネックウォーマー、それとビニールをかぶる。アームウォーマーはなしにした。あっまた日焼け止め塗るの忘れた。日の当たる場所にじっとして、いよいよ10時半、スタート。
いきなり下り坂。っていうか、ちょっとすごい下りだ、足をもっていかれそうになるくらい、シューズの中で足がずれるくらい急だ。これゴールで上りになるのか。最初の1キロは4分。2キロ目は3分56秒。下りとはいえ速すぎ。潰れるぞと思いながら、ベースを下げられない。どうせ潰れるんだからいけるところまで行ってみるか。その後も4分1桁で進んでいく。3キロくらいで暑くてビニール袋を脱ぐ。日が差したり曇ったりを繰り返す。コースも細かいアップダウンを繰り返す。10キロのタイムが41分。速いなあ、どこまでいけるかな、30キロくらいまでこのペースでいければなあ、と10キロ過ぎでネックウォーマーを脱ぐ。やがて雨が降ってくる。今度は腕が寒い。サングラスが濡れる。寒いほうがコンディションはいいんだと思い、でも何人もランナーが抜いていく。キロごとにペースを確かめるけどそんなに落ちていないんだけどなあ。ハーフのタイムが1時間27分。サブスリーはできそうだ。でも2時間55分切りは難しいなあ。ペースが4分10秒くらいに落ちてきたか。先は長い。先頭とすれ違い、どこで折り返すんだかマップ見とくの忘れたと思ってたら25キロ手前で折り返し。ここから今来たとこ戻るのか。たくさんのランナーとすれ違う。
26–27キロのペースが4分20秒を示す。うわあ、もう落ちてきたか。もうちょっと耐えたかったなあ、でも走り込んでないもんなあ、さぼった分は全部結果に出るんだなあ。28キロ過ぎだったか、ランナーが倒れていて、何人かで救護している。すぐに救急車もすれ違う。怖い。俺も倒れないとは限らないんだ。30キロでタイム2時間5分。サブスリーはできる。ただ何分でゴールできるんだろう、ここからどれくらい維持できるか見当がつかない。そう思っていたら、31–32キロでペース4分25秒。げっ、まずい。なんとか持ち直そうとしながら必死で進む。35キロ、タイム2時間27分。4かける7で28分で、5かける7だと35分だから、ええと、分かんね。もう考えられなくなってきた。
あと5キロ、4キロ、3キロ。40キロ地点で2時間49分。2時間57分でゴールしたいけど厳しいか。そして最後の上り坂。ずうっと登っていく。きつい。沿道からサブスリーできるよって声がかかる。いやいやサブスリーは余裕でしょ、と心の中で返しながら、ゴールの青いアーチが見える。あとはもう全力。前にいるランナーを抜いて、抜かれて、短距離走ばりにダッシュして、ゴール。2時間58分。余裕どころかぎりぎりじゃないか。
ゴールを駆け抜けて、前で握手しているランナーに止まれず突っ込み、ごめんなさいと言いながらそのままみんなで抱き合い、最後のダッシュで競ったランナーとも握手して、ボランティアとハイタッチして、おしるこ・豚汁をいただき、ゆっくりと着替えて、おしまい。最後の坂おもしろかったなあ。ボランティアも、沿道の応援も、みんな暖かった。

コースも面白く、天気も気温が低いくらいで走りやすく、給水もふんだんにあり、声援も熱い大会。これで記録を、目標の結果を出せないのはこれまでの自分を振り返ったほうがいい、それくらいコンディションのいい大会。普段ちんたら走ってるだけなんだなあと再認識させられる大会でした。

2018年11月18日日曜日

11月4日(日)淀川市民マラソン

淀川市民マラソン、42.195キロ。

1日(木)大阪に来て半年、学生時代の友人たちと10何年ぶりかで会い、しこたま飲む。2日(金)、朝目が覚めて、異常に寒気がする。これは風邪をひいた。しかもただの風邪ではなく、かなり体調が悪い、思ったよりもひどい。午後早めに帰ってとにかく寝る、寝る、寝る。3日(土)朝、起きたけど、体調はひどいまま。とりあえず淀川市民マラソンのゼッケンの前日受け取りで会場に行かなきゃいけない。出られるかどうかは別にして、とにかく行かなきゃ。ひどい体調のまま会場に行って、ああ、前にジョギングでここ走ったなあ、などと思う余裕もなく、ゼッケンを受け取り、すぐに帰って、いつもの通りにパスタを茹でて食べて、また寝る。
4日(日)6時起床。体調はひどい。トイレに行くが、お腹を下したまま。ああ、これは欠場した方がいいんだろうなあ、と思いながら、走ってみて本当にだめだったらリタイヤしよう、と思いながら会場へと向かう。そう、フルは最初の10キロを上流へと上り、そして戻って、ハーフからは普段のジョギングでよく走っているコースを走るのだ。もし危険だったらハーフでリタイヤしよう。そう思いながら淀川河川敷の会場へ。まずトイレに並び、着替えて、またトイレに行って、スタート地点へ。気温がよく分からないけれど体は寒い。ビニールをかぶって待つ。やがてスタート。
スタートして日差しが強いことに気づく。しまった日焼け止め忘れた。朝から寒気がしていたけれど、すぐに暑くなる。汗がいつもよりも吹き出てくる。これは暑さじゃなく体調のせいか、すごい汗だ。やっぱり負担かかってるんだなあ。はじめの何キロかはキロ4分10秒切るくらいで進む。ああ、絶対に潰れるんだろうなあ、などと思いながら、潰れるんだったらできるだけいつもペースで走ろうと思ってしまう。コースは芝生を走ったりしながら、給水はできるだけコップを2杯取るようにして、10キロ過ぎに折り返し地点。すぐ後ろで「折り返しなので気をつけてくださーい」という声が聞こえる。げっ、これ3時間ペーサーか。やばいやばい追いつかれる、と焦りながら折り返して、そのまま逃げ切ろうとペースを持ち直すように心がける。折り返しでたくさんのランナーとすれ違う。たくさんいるなあ、でもちゃんと見ている余裕がない。
やがてハーフ、スタート地点に戻ってくる。ああだめだ、ちょっとこれから持ち直せる気がしない。体調はどんどん悪くなるんだろうな、このあと倒れたら周りみんなに迷惑をかけるんだろうな、などと思いながら、ペースは落ちていく。とりあえずハーフは走ったし、明日以降のこともあるし、リタイヤしたほうがいいんだろうな。そして3時間ペーサーに追いつかれる。ああ、ここまで起きてきたか、ついていけるんだろうか、ここからどんどん落ちていくんだろうか、屈辱を感じながら、どんどん離されていく。やっぱりここでリタイヤしようか。でもここからのコースは普段のジョグでよく走っている、よく知っているコースだ。10キロいつもの河川敷を走って戻ってくるだけじゃん、しかもコース途中の橋(淀川大堰っていうそうだ)は、普段閉鎖されているから今日しか走れないんだよなあ、などと思ったら、そのまま走ることを選んでしまった。というより、走ることをやめる勇気が出せなかった。
25キロ、毛馬こうもん。こうもんまで来た、こうもんが近い、などと軽口をたたく余裕もなく、淀川大堰を渡る。ここがいつも渡れなかった橋か。でもきつくてきつくて感慨にひたることもできない。ランナーを撮っているカメラマンが目に入ったけれど、ポーズを取る余裕もない。橋を降り、よく走っているコースへ。よく見た風景が広がっている。河川敷なのでそうそう変わるものじゃないけれど、少しばかりの安心感がある。と、途中で曲がって砂利道を走る。なんだこのコース。ふと見ると、ああ、バーベキュー会場か。そのせいで砂利道を走ることになってるのか。足裏がものすごく痛い。ひいひい言いながらしばらく走り、舗装路に戻る。そして30キロで折り返し。このまま帰れたらうちに近いのになあ、帰ったら倒れるように寝るのになあ。
気づいたらペースが異常に落ちている。ウォッチを見るとキロ6分近くを示している。えっ6分、とびっくりする。まずい。でもペースは上げられない。あと10キロ耐えるしかない。前半とペースが違い過ぎて、今どれくらいのタイムなのか、どれくらいでゴールできるのか、見当がつかない。そういえばさっき3時間半ペーサーとすれ違った気がする。3時間半までにはゴールできるんだろうか。そしてまた砂利道を走る。痛い痛い、ものすごく痛い。柴又100Kの最後の砂利道よりきつく感じる。いらいらして思わず、これいつまで続くんだよ、と叫んでしまう。叫んだところで状況は変わらない。足が動かない。きつい。つらい。
35キロ、ようやく淀川大堰に戻ってくる。よし、あとはゴールするだけだ。こうもんに戻ってきた、こうもんに近づいている、こうもんが近い。必死になって、ゴールはまだか、まだか、けっこう遠い、こんなに遠かったっけ。ようやく会場が近くなってきた。ゴールだ、走りきれた。ゴール目の前にQちゃんがいてハイタッチしてくれた。声を上げて応えることもできなかった。それでもなんとかゴールまで来れた。ゴール。3時間17分。
ゴールした途端寒気がすごくて、がたがた震えながら荷物を取りに行って、急いで着替え、しようとしたけれど、寒くて体が動かなくて、なんとか着込んで、とにかく寝なきゃ。帰宅して、食べて、寝る。すべて自業自得。

なんでこんな体調悪いのに走ったんだろう。やっぱりばかなんだろうか、ばかなんだろうな。スタッフの方々や沿道で応援してくれたみなさんごめんなさい。余韻にひたることもできなかったけれど、それでも振り返ってみると、楽しかったです。




2018年3月18日日曜日

3月18日(日)板橋Cityマラソン

板橋Cityマラソン、42.195キロ。

先月のいわきサンシャインマラソンから1か月。相変わらず左すねの痛みは取れないまま、ろくに走っていない。もう今シーズンはのんびりランしかないかな、などと思いながら過ごしていた。この1か月で週末だけ、合計100キロほどしか走っていない。さらには最長で16キロしか走っていないのだ。気づいたらもう板橋Cityマラソンが迫っている。前日にデパートの体組成計で測定してもらうと、自己ベストのつくばマラソンのときから、骨格筋量こそ微増してるものの、体重は1.6キロ、体脂肪量は1.2キロも増えているじゃないか。もうだめだ。サブスリーできたらいいなあなんて思っていたけれど、もう完走が目標だ。
すべてを受け入れよう

前日夜にいつも通りスパゲティを山盛り食べて、眠剤を飲んで22時前に就寝、しようとするも寝つけず、0時近くまで目が覚めたまま。眠剤を追加して眠り、3時半くらいにまた目が覚めて、さらに眠剤を追加。相変わらず眠れない。5時半前に起床。シャワーを浴びて、スタート3時間前になる6時前に朝ごはん1.5合を食べる。今回は近場だから、いったん横になり、7時のアラームで起きて、出発。浮間舟渡駅へ。
駅に着き会場へ向かう。駅や公園のトイレにはすでに長蛇の列。この時間ならスタート地点の仮設トイレは空いているのにな、と横目に会場に到着。やっぱり空いているトイレに入る。そして着替える。今回持ってきたシューズは最近買ったばかりのビブラムV-run。これでまだ13キロしか走ってないけど、まあ別にクッションがあるシューズでもないし、大丈夫っしょ。荷物を預けてスタートへ向かうが、まだちょっと時間があるな、もう一度トイレに寄っておこうか、と並んだら今度はものすごい行列。結局スタート地点Bブロックに並んだのが、10分ほど前。間もなくスタート。
スタート地点までのロスが15秒ほど。板橋Cityマラソンはコースが狭いから最初は渋滞するのは承知の上。さらに走り込んでいないから、先月みたいに後半つぶれないように流れにまかせて行くことにする。最初の1キロのラップは4分20秒。うん、これくらいでいい感じだ、と思ったものの、あれ、スタートのロスが15秒あったから、てことは、速すぎないか。しかし足が止まらない。ああ、今回もつぶれるのか、じゃあいいや、いけるところまでいこう。どうせ走り込んでいないんだから次につながるランにしよう、と切り替える。初めのほうの給水も、混雑にまかせてスピードを抑えて、無理せずにコップを取り、進んでいく。
それでもしばらくキロ4分ひと桁を刻んでいけている。ふと、なんとなく見覚えがあるような景色が見えて、ここは豊島五丁目ではなかろうか、周りをきょろきょろしながら走る。この橋はなんだっけ、あれ出てこない。と橋をくぐるときに横に設置された看板に、江北橋。あーそうだ江北橋だ。毎週のように西新井の富士丸へと向かっている河川敷でげふー。10キロ地点で41分。おいおい速すぎるだろ、これは間違いなくつぶれるわ。それでも動けるところまで動こうと順調に進んでいく。15キロ地点で最初のジェルを摂取。まだペースは落ちていない。ハーフ地点で1時間27分。ああ、これならサブスリーいけそうだ。ただ先月は一気につぶれたから、気は抜かないようにしないといけない。気でどうにかできるもんじゃないけど。
折り返して、来た道を戻っていく。向かってくるランナーとすれ違う。なんとなくランナーを見ながら走っていて、ふと気がつくとキロ4分10秒台。ああ落ちてきた、集中しなきゃ。25キロでついに4分17秒。ここから貯金を食いつぶすこととの戦いが始まるのか。2つ目のジェルを摂取。なんとかこらえてくれ。そして30キロ手前あたりから、着地ごとにシューズと足の裏が擦れる感覚が出てきた。これはまずい、やっぱり足になじんでいなかったか。皮がむけそうな予感がする。やっぱりちゃんと履き慣れていないとだめなんだな。足の裏もなんとかこらえてくれよう。
30キロ地点で2時間5分。おお、これならサブスリーは確実だ。と思ったものの、先月は30キロすぎからキロ5分台に突入していたことを思い出す。いかんいかん、まだまだ気を抜けないぎりぎりを走っていることを自覚しなきゃ。この1か月、30キロどころか20キロ以上すら走っていなかったんだから、どこかで、いやもうすぐ完全に足が止まるかもしれない。カフェイン錠を摂取する。このカフェインの効果が切れたら、そもそも効果があるかどうかだけれど、足も終わる気がして、次からはお守りの意味も込めてカフェインを2錠持って走ることにしよう。32キロ過ぎで最後のジェルを摂取。往路で記憶していた扇大橋、江北橋をまたくぐり、35キロ地点で2時間26分。てことはええと、残りキロ5分くらいまで落ちちゃってもサブスリーいけるか、よし。数少ない坂を登り、37キロ地点のペースが4分29秒。これは坂だからしょうがないって声に出して、残りの5キロ、全力を出し切ろう。ペースは落ちていない。いけるかもしれない。40キロをすぎてから意識してペースを上げて、ゴールが見えてきた。いける。ダッシュ。ゴール。2時間57分。
ゴールして笑ってしまった。こんだけ走ってなくても楽にサブスリーできたな、とえらく気持ちが高ぶってしまう。驕るともいう。まだまだ足動くよ、ダメージないじゃん、とすたすた歩き、配布しているシャーベットやオレンジジュース、ホットレモンをもらい、預けた荷物受け取りのテントへ。自分の荷物を取り出そうとすると、奥にいるランナーが足がつりそうになっている。急いで駆け寄り、ぼくが荷物取りますよって取り出してあげると、いきなり自分がつりそうになる。ぎゃあ調子乗り過ぎた。なんとかこらえて、着替えのテントに入る。足の裏を見てみると、やっぱりいくつか水ぶくれができていた。シューズ選択は大事だねえ。

大満足のレースだった。これだけ走れるとは思わなかった。気温もそれほど上がらず、例年吹きつけてきていた風もなく、非常によいコンディションだったこともあるけれど、年明けてからほとんど走り込めていないにもかかわらず、最後まで走り抜くことができた。なぜなんだろう。人間の体って不思議だなあ。もっと上がある気がする。上を目指すかどうかは別として。とりあえずとにかく左すねの痛みを早く完全に解消したい。来月の今シーズンラストのかすみがうらマラソン、そして来シーズンはそれからだ。